ブラジル中央銀行が14日、7月の経済活動指数(IBC―Br)は前月比0・41%上昇し、下半期の景気は、ゆっくりだが回復基調に乗り始めたとの見方を示したと15日付現地紙が報じた。
IBC―Brは景気先読みのための指数で、7月は、6月の135・06ポイントを0・41%上回る135・62ポイントとなり、2カ月連続での回復を示した。
市場関係者は、同指数の回復は、非常にゆっくりだが、景気が回復基調に乗り始めた事を示す証拠だと評価している。
1~7月の累積指数は0・14%の上昇にとどまり、2年にわたる景気後退(リセッション)で失ったものを回復するには時間がかかるが、上半期も既に、農業の国内総生産(GDP)が伸びた他、勤続期間保障基金(FGTS)の休眠口座の資金開放などを受けて家庭消費伸張など、明るい材料が出てきていた。
下半期に関しては、13日に地理統計院(IBGE)が、7月のサービス業のGDPは前月比で0・8%縮小と発表し、景気の先行きへの期待感が薄れていたが、IBC―Brが0・41%上昇した事で、市場関係者の期待感も回復。中銀がまとめた金融関係者の先行き予想では、今年のGDPは平均で0・60%、最高では0・93%成長という数字が出ている。
景気の回復を裏付けるデータとしては、8月末にIBGEが発表した、5―7月の変動四半期の雇用者数が前期比で140万人増えたというデータがある。また、14日には応用経済調査院(Ipea)が、4月までの労働市場は悪化傾向が続いていたが、5、6月は均衡状態が続き、7月は改善の兆しを見せ始めたと発表した。Ipeaによると、正規雇用はまだ減少傾向にあるが減少率は低下。非正規雇用を含めた雇用者は0・2%増を記録した。
また、第2四半期には、仕事の口は見つからないだろうと考える人が失業者の44・7%いたが、この数字も、第1四半期より2・5%減っている。
雇用回復の兆しは、14日付エスタード紙が報じた、GM(ジェネラルモーターズ)とMANが13日に計1千人を新規採用すると発表した事にもみられる。自動車生産は25・5%の回復を見せており、同業界では既に、1100人を採用している。
景気後退の影響を最も強く受けたとされる若者まで雇用回復の手が伸びるには今少し時間が必要だろうが、エンリケ・メイレーレス財相は14日に、第4四半期のGDPは昨年同期比で2・7%増、今年第3四半期比では3・2%増となるとの見解を表明。「2016年のGDPは3・6%縮小したが、今年は雇用も回復し始めた。2018年の経済活動はより力強く始まる」と力説した。
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