サンパウロ州内にある外国系社会の統合を目的とした州政府機関「外国系社会に関するサンパウロ州政府審議会」(上辻照子会長)は、『外国系社会代表者表彰』を先月29日、サンパウロ州議会内フランコ・モントーロ講堂で行った。
各外国系社会を代表して表彰された10人の功労者のうち、日系社会からは、プロミッソン在住の安永忠邦さん(96、二世)が表彰された。
安永さんは、45年から91年までボランティア日本語教師を務め、その功績が認められ単光旭日章を受章。南ブラジル農業共同組合で会長を務めたほか、同地日系社会の活動を長年支え、〃上塚周平の墓守り〃としても知られている。
忠邦さんの代理挨拶した孫・修さん(42、4世)は、表彰に対する謝意を述べた上で、「私の人生を決定づけたのは、『頑張ってくれ』という上塚先生の言葉だった。己の最善を尽くし困難を克服した先駆者の精神は決して風化してはならない」と強調した。
続けて、「努力を惜しまずより良い将来の為に尽力された先人のお陰で、我々のルーツや文化、伝統が決して忘れられることのないよう此処に集っている」と語り、「移民を暖かく迎えてくれたブラジルの良き未来のため、さらに団結を強めていかなくては」と呼びかけた。
式典には、およそ300人の関係者が出席。忠邦さんの親族や友人ら42人がプロミッソンから駆けつけたほか、式典後のカクテルパーティーでは交友関係の深い歌手の中平眞理子さんが歌声を披露するなど、盛大に祝福された。