ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ドッジ検察庁長官が就任=三権の調和と法の絶対性主張=大統領との蜜月説もある中=式欠席のジャノーにも噂浮上

《ブラジル》ドッジ検察庁長官が就任=三権の調和と法の絶対性主張=大統領との蜜月説もある中=式欠席のジャノーにも噂浮上

18日に検察庁長官に就任したドッジ氏(Marcos Corrêa/PR)

18日に検察庁長官に就任したドッジ氏(Marcos Corrêa/PR)

 18日、ラケル・ドッジ氏が正式に連邦検察庁長官に就任し、就任の挨拶を行った。その一方、前任者のロドリゴ・ジャノー前長官が「ドッジ氏就任を食い止めるためにテメル大統領の地位を脅かそうとしていた」との証言も浮上してきている。18日付現地紙、同サイトが報じている。

 ドッジ長官の就任式は18日午前8時過ぎから、ブラジリアの連邦検察庁で行われた。就任式には、テメル大統領はじめ、ロドリゴ・マイア下院議長、エウニシオ・オリヴェイラ上院議長、カルメン・ルシア最高裁長官の、行政・司法・立法の三権の長が全て顔をそろえた。
 ドッジ長官は就任の挨拶において、「三権が調和を取りながら共に歩んでいく」ことを強調し、さらに「何人も法の上に立つことは出来ないし、全ての人が法の下で平等に扱われなければならない」とし、捜査の対象が誰であれ、特別扱いをすることなく、厳重に法を適用していくことを誓った。なお、就任式にはラヴァ・ジャット作戦(LJ)の捜査対象となっている政治家が13人いたことなどもあってか、LJなどの具体的な単語を使うことを避けている。
 同長官は、ことLJに関しては、国民から厳しい目で見られている。それは同長官が、6月に行われた検察庁内部での長官選出選挙では2位ながらも、テメル大統領の指名で繰り上がって長官に選ばれたことや、さらに8月9日には、就任1カ月以上前の段階でジャブルー宮に呼ばれ、非公式にテメル大統領と面会を行ったことなどが報じられたからだ。このため、一部では「テメル大統領との癒着ぶり」をいぶかしがる声も出ている。
 一方、前長官のロドリゴ・ジャノー氏はドッジ氏の就任式には参加しなかった。同長官はテメル大統領に対し2度の告発を行い、さらに、自身が後継候補に擁立していたニコラス・ジノ氏が、検察庁内での選挙で1位になったにも関わらず、テメル大統領から「報復的」とも見られている判断で選出されなかった経緯があった。
 就任式当日には、ジャノー前長官とドッジ長官の不仲をうかがわせる記事が、フォーリャ紙に掲載された。それは、元検察庁検事のアンジェロ・ヴィレーラ氏が同紙の取材で暴露した発言だ。
 同氏は月に5万レアルの報酬を受け取って、JBS社に検察の内部情報を流した容疑で逮捕された。現在は釈放中で、無実を主張しているが、同氏によると、ジャノー前長官はかねてから、次期長官選挙で有力だとされていたドッジ氏の当選を阻みたいとの発言を繰り返していたといい、ジョエズレイ・バチスタ氏らの証言に飛びついてテメル氏を告発したのも、テメル氏を打倒すればドッジ氏が長官に選出されることはないとの打算ゆえだ、と語っている。