【既報関連】世界一の食肉加工会社JBSの経営審議会が16日夜、インサイダー取引で13日に逮捕されたウエズレイ・バチスタ容疑者に代わり、同容疑者の父で同社創始者のジョゼ・バチスタ・ソブリーニョ氏を社長に選出したのを受け、18日の証券市場では同社株が3・95%下落し、10億レアル近い損失を計上したと19日付現地紙が報じた。
JBS株の21・3%を所有する社会経済開発銀行(BNDES)は、市場に明るい専門家の社長就任を望んでいたが、ウエズレイ容疑者の後任がバチスタ家の人物となった事を不服とし、17日に、近日中に有価証券取引委員会(CVM)に16日の経営審議会そのものの有効性を問う訴えを起こす意向を表明した。また、18日夕方には、JBSの経営審議会に送っていた代表2人をそっくり入れ替えた。
JBSの株式は、同社の持ち株会社でウエズレイ、ジョエズレイのバチスタ兄弟が所有するJ&Fが42%を有しているが、BNDESはそれに次ぐ大口株主だ。
BNDESは5月のJSBショック以降、常に、同社の経営を市場も認める専門家の手に移すよう主張し、株主総会でもバチスタ家は投票しないよう求めていた。
同社株が18日に3・95%下落した事で、同社株の時価総額は、15日の241億4900万レアルから9億5500万レアル下落し、231億9400万レアルとなった。5月17日からの損失額は27億3千万レアルに及ぶ。
なお、米国JBSの社長と、北米、豪州の代表はアンドレ・ノグエイラ氏が続投。南米地区のJBS代表は、ウエズレイ容疑者の息子のウエズレイ・フォーリョ氏が務める事になった。