連邦検察庁は18日に就任したラケル・ドッジ長官の下で新体制に入ったが、JBS社の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)に関して疑惑を持たれる行動をとったことが発覚し、わずか4日で主要スタッフの1人が辞任するという、厳しい船出となった。23日付現地紙が報じている。
辞任したのは、19日に検察庁特捜班選挙関連部門のコーディネーターに任命されたばかりのシジネイ・ペッソア・マドゥルーガ捜査官だ。
辞任の理由は、シジネイ氏が21日にブラジリアのレストランで、JBSのジョエズレイ・バチスタ、リカルド・サウジ両容疑者の弁護人をつとめるフェルナンダ・トルチマ弁護士と非公式に面会したことや内容を、22日付フォーリャ紙にスクープされたためだ。
JBS関係者によると、同弁護士は、ジョエズレイ氏らが検察庁と司法取引を行う際に手伝った疑いが持たれているマルセロ・ミレール元検事をJBSに紹介した人物だという。同弁護士の名前は、今月4日に公表され、両容疑者逮捕のきっかけとなった、両氏の会話録音にも出てくる。
フォーリャ紙によると、シジネイ氏はトルチマ弁護士との会食時に、ロドリゴ・ジャノー前検察庁長官の側近だったエドゥアルド・ペレーラ捜査官が「今後、捜査対象になる可能性がある」など、内部機密にあたる情報も話していたという。
ミレール元検事が司法取引に関与していた疑いが生じた後に連警が提出した、ジャノー元長官やその側近もミレール氏がJBSと関係を持っていることを知っていたとする報告書の中で、ミレール氏が(検察庁退任後に)、米国JBSの司法取引取りまとめのために米国に旅行する予定であることを話していた人物の一人として出てくるのがペレーラ氏だ。
ペレーラ氏は、後にテメル大統領告発の材料となった、ジャブルー邸でのジョエズレイ氏とテメル大統領との会話の極秘録音が行われた3月7日の数日前、JBSの司法部門担当者で報奨付供述者でもあるフランシスコ・アシス・エ・シウヴァ弁護士と会っていたことが判明している。
シジネイ氏は同弁護士との会話の中で、ペレーラ氏がJBSの司法取引の中で果たした役割を皆が知りたがっていると話し、ジャノー前長官はクリチバのラヴァ・ジャット特捜班を自由にさせすぎているとの批判も行ったと、フォーリャ紙は報じている。
シジネイ氏は今回の報道に関し、トルチマ弁護士と会ったことは認めたが、「そのような会話は行っていない」と否定した。今回の辞任の理由は「いわれのない言いがかりに巻き込まれ、迷惑がかかるのを避けるため」だとしている。
テメル大統領に対する2度目の起訴状は下院に回されたが、ジョエズレイ氏の供述も証拠の一部とされていることや、検察庁内での疑惑が次々に生じていることが、告発の勢いを落としかねない状態となっている。