ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》最高裁=アエシオに上議停職の判決=JBSショック後の処遇で=上告の可能性は残るも=大統領選出馬に黄信号

《ブラジル》最高裁=アエシオに上議停職の判決=JBSショック後の処遇で=上告の可能性は残るも=大統領選出馬に黄信号

26日のアエシオ氏(Lula Marques/AGPT)

26日のアエシオ氏(Lula Marques/AGPT)

 26日、最高裁第1小法廷で、JBSショック後に連邦検察庁が提出したアエシオ・ネーヴェス上議(民主社会党・PSDB)に対する逮捕請求の審理が行われた。同上議は検察庁が求めた逮捕こそ免れたものの、上議停職という判決が下された。上告は可能だが、来年の大統領選出馬を目指すアエシオ氏には苦しい結果となった。27日付現地紙が報じている。

 アエシオ氏への逮捕請求は、同氏がJBS社主のジョエズレイ・バチスタ氏に、担当弁護士に払う費用として200万レアルの支払いを求める発言が録音されたことに端を発する。
 JBS関係者の報奨付供述によると、この金は元来、アエシオ氏の姉のアンドレア氏が求めたもので、50万レアルずつ4回に分けて払われた。JBSのリカルド・サウジ理事がアエシオ氏のいとこでミナス州電力公社元理事のフェデリコ・パシェコ氏に50万レアルを渡す様子は連警が録画しており、その金がPSDBのゼゼ・ペレラ上議の秘書の手を経て、ペレラ上議の息子の会社の口座に振り込まれたことも確認されている。
 アンドレア氏とパシェコ氏は、5月18日に行なわれたパトモス作戦で一時逮捕されたが、アエシオ氏への逮捕令状は出ず、上議停職となった。
 逮捕された2人は6月に自宅軟禁に変わり、アエシオ氏も、マルコ・アウレーリオ・メロ判事の判断で復職していた。
 検察庁はその後もアエシオ氏の逮捕を求め、最高裁も8月に判断を下す予定だったが、日程が26日までずれ込んだ。この日の審理は第1小法廷の判事5人で行われた。
 5人はまず、アエシオ氏逮捕についての投票を行ったが、これは5人全員が却下した。それは、ブラジル憲法では議員特権により現行犯以外では逮捕できないためで、この見解を全員が支持した。
 だが、アエシオ氏の上議職継続は判断が割れ、3対2で同氏への職責停止判決が下った。停職を支持したのはルイス・アルベルト・バローゾ、ローザ・ウェベル、ルイス・フクスの各判事で、反対したのは前法相で元PSDBのアレッシャンドレ・デ・モラエス判事と、マルコ・アウレーリオ・メロ判事だった。
 フクス判事はその中で「アエシオ氏がPSDBの党首を辞した際、大勢の人が賞賛した。上議を辞任すればより賞賛されるはずだ」と皮肉った。一方、ローザ判事は、アエシオ氏はエジソン・ファキン判事が上議としての活動を禁じた後も、ソーシャル・ネットワーク・サービスを使用してPSDBの上議たちの会議で意見を言うなど、実質上、活動に参加していたとの判断を示した。
 アエシオ氏には夜間の外出禁止、旅券提出なども命じられたが、今回の判決は最終決定ではなく、アエシオ氏が上告すれば、最高裁大法廷で審理する可能性は残されている。だが、次点となった14年の選挙に続き、18年の大統領選出馬の可能性を捨てていない同氏にとっては痛い結果となった。