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《ブラジル》上院=アエシオ問題で最高裁判決に猛反発=「憲法に抵触」と反論=PTまでも難色示す=PSDB離脱止めたい大統領

27日の上院(Wilson Dias/Agência Brasil)

27日の上院(Wilson Dias/Agência Brasil)

 【既報関連】最高裁第1小法廷が26日に、アエシオ・ネーヴェス上議(民主社会党・PSDB)の職責停止と夜間の外出禁止、旅券提出などを決めたことに反発し、上院がこの判決を阻止しようと動きだしている。28日付現地紙が報じている。

 27日、上院ではアエシオ氏の処遇を巡る話し合いが長時間行われた。多くの上議が、今回のアエシオ氏の停職や自宅軟禁に相当する決定に反対しているが、それは最高裁の今回の判決が憲法に 則ったものではないと解釈しているためだ。
 彼らの解釈によると、憲法第53条では現職の連邦議員は現行犯以外で逮捕できないことになっており、最高裁でもそれに則った判断が行われたにもかかわらず、なぜ停職処分とされ、実質的な自宅軟禁状態に置かれなければならないのか、ということだ。
 話し合いは夜まで続いたが、エウニシオ・オリヴェイラ上院議長(民主運動党・PMDB)は、「もし最高裁の判断が憲法に触れる内容で、上院がそれを是正できるのであるならば、上院が同件を取り扱う」との発言を行うにとどめていた。だが、27日夜、帰宅後に最高裁からの通達を受け取った同議長は、即座に政党リーダーとの会合を開くことを決めた。
 この問題はとりわけ、テメル大統領のPMDBには大きな問題だ。PSDBの連立与党入りは、党首だったアエシオ上議が強く賛成したゆえであり、同氏の存在がなければPDSBの連立離脱が起こりうるためだ。アエシオ氏の収賄疑惑発覚後に党首代行となったタッソ・ジェレイサッチ上議は、連立離脱を強く訴えている。
 上院では28日に各党リーダーによる会合を持ち、アエシオ氏に対する最高裁の判断の是非を本会議で論じることを決めた。同日の本会議では、アエシオ氏の件を緊急動議扱いとすることが承認され、来週、本格的に審議することになった。上院本会議で過半数の41人以上が反対すれば、上議の処遇に関する最高裁の判断を拒否することが可能だ。
 上院側は、この投票でアエシオ氏の停職を受け入れる議員は12人ほどだろうと見ている。それは、PSDBの政敵である労働者党(PT)までもが、今回の件でのアエシオ氏の停職に否定的な態度を示しているためだという。
 一方、第1小法廷での判断が3対2と接戦だったことからもうかがわれるように、最高裁内でも今回のアエシオ氏への判断は割れている。かねてから政府寄りの人物とされている第2小法廷のジウマール・メンデス判事は、同件は大法廷で審理することが望ましいとの見解を示している。
 判決後、アエシオ氏は「録音は編集されているし、ジョエズレイ・バチスタ氏には個人的な貸付を依頼しただけで、公金は一切含まれていない」「正規の手続きを踏んだ裁判は始まっていないのに、被告の如く扱われている」と反論する声明を出している。