連邦警察と国税庁が28日、連邦政府の持ち家政策の「ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダ(MCMV)」にまつわる不正を摘発する「アネル・デ・ジジェス作戦」を敢行し、上院政府リーダーのロメロ・ジュカー上議(民主運動党・PMDB)の息子らが強制連行の上で事情聴取を受けたと28、29日付現地紙、サイトが報じた。
MCMVはジウマ政権の看板政策の一つで、現政権でも継続。同政策のための資金は連邦貯蓄銀行(Caixa)を通して動いている。
今回の作戦では、ロライマ州でMCMV用の家屋建設用地となったレクレイオ農園売却時の不正と、同農園造成後のヴィラ・ジャルジンでの家屋建設時の不正が対象とされた。
連警が事情聴取を行ったのは、ジュカー上議の家族(息子のロドリーゴ氏と娘のマリーナ氏、前妻でベラ・ヴィスタ市長のテレーザ・スリタ氏との間の娘のルシアナ・スリタ氏とアナ・パウラ・スリタ氏の4人)と、建設会社CMTエンジェニャリア関係者3人だ。
連警によると、Caixaは2013年、ジュカー氏の子供4人の名義だったベラ・ヴィスタ市内のレクレイオ農園を450万レアルで購入したが、同農園の当時の時価は350万レアルで、100万レアル強が水増し請求されていたという。
また、同農園を造成して建てられたMCMV用の家屋(2992戸)の建設費は1億8500万レアルとされているが、その内の3100万レアルは横領されたと見られている。連警によると、CMTの関係者3人はコンクリートブロックの価格を水増しして請求していたという。
ジュカー氏の息子のロドリーゴ氏はサンパウロ市にいたため、同市の連警で事情聴取を受けた。
また、マリーナ氏とアナ・パウラ氏はブラジリアにおり、首都の連警本部で事情聴取を受けた。
ルシアナ氏は母親のテレーザ市長の自宅にいたが、同氏の夫が45口径の拳銃と762型の小銃を持っていたため、銃の不法所持で現行犯逮捕される一幕もあった。
ジュカー上議は「今回の疑惑には何の証拠もなく、いかなる捜査も恐れない」とした上、「正式な要請があれば必要な書類は全て提出したのに、今回のやり方は職権乱用に過ぎない」と捜査のあり方などを批判した。同氏の弁護士によると、上議自身は捜査対象とはされていないという。