サンパウロ州クンビッカ国際空港で押収される麻薬の量がこの10年で急増していると、29日付エスタード紙が報じている。
今年1~8月に同空港で押収された麻薬は1552キロ(月平均186・6キロ)で、2007年の年633キロ(月平均52・75キロ)の3・5倍(253・7%増)となる。
押収量が最も多いのは85%を占めるコカインだ。大麻は4・9%、アンフェタミンは4・7%などとなっている。
ブラジルはコロンビアなどで生産された麻薬をアフリカや中東、欧州などに流す中継点の一つで、押収麻薬の行き先は、アフリカのトーゴや南アフリカ共和国、中東のレバノンなどだったという。合成薬は逆に、スペインやポルトガル、トルコなどから入って来ていた。
また、麻薬所持のためにクンビッカ空港で逮捕された人は、8月までの時点で232人いた。逮捕者の大半はベネズエラ人かボリビア人だが、組織の親玉クラスの逮捕は10人にすぎず、大半は輸送のために雇われた運び屋だったという。
また、運ぶ手口も巧妙になり、冷蔵庫の匂い取り用の置物や靴の底、練乳の缶、刷毛の柄などに隠して輸送するケースも増えているという。