ホーム | ブラジル国内ニュース | 芸術か児童わいせつか?=物議かもして大荒れのサンパウロ近代美術館

芸術か児童わいせつか?=物議かもして大荒れのサンパウロ近代美術館

 現在、サンパウロ市のイビラプエラ公園内に落成した近代美術館(MAM)で行われたある芸術家のパフォーマンスをめぐり、市長や芸術家らを巻き込んでひとつの大きな騒動が起こっている。
 事の発端は、9月26日にMAMで行われたパフォーマンス芸術だ。この日は前衛芸術家のヴァギネル・シュワルツによる、自分の肉体を使ったパフォーマンスが行われたが、これが全裸だったことが、まず問題となった。
 それに加え、ソーシャルネットワークでも流れたビデオの中に、床に横たわったシュワルツ氏の身体に、観客の娘で幼い女児が触るシーンがあったことが火に油を注いだ。これを見た人が「児童虐待だ」として、パフォーマンスを犯罪だとして追及したのだ。
 30日、MAMの前では、このパフォーマンスを児童虐待の罪だとして抗議するデモが行われた。
 それに輪をかけるように、ジョアン・ドリア・サンパウロ市市長も、動画を通じてこのパフォーマンスを批判した。
 一方、美術館側はこれらの抗議に反対し、「芸術の自由」を強く訴えた。
 すると翌10月1日、今度は芸術家や映画・演劇関係者らが数100人集まって、MAMの前で「私たちはMAMだ」というカードを一斉にかかげ、芸術の自由を訴えるデモを行った。
 この対立に関してはメディアでも世論がほぼ2分されており、まだまだ尾を引きそうだ。(2日付フォーリャ紙より)