【既報関連】7月11日に上院本会議が可決した改正労働法が施行される11月11日を前に、主要労組団体に所属する労働組合は、改正労働法の目指す「組合税支払い義務の廃止」に反発を強めていると、2日付現地紙が報じた。
各労組は現在、新しい名前の「組合税」を設けることを検討中で、所属労働者だけでなく、非所属労働者からも組合活動費を徴収する意向だ。
組合の力を削ぐ狙いで政府が定めた「組合税廃止」に抵抗し、各組合は続々と、「支援税」「交渉税」と名前を変えた組合活動費の徴収を承認している。
中央統一労組(CUT)系のリオ・グランデ・ド・スール州サンレオポルド市金属労働組合の場合、新たな組合税の年額は年間給与の1%となっているが、新税は実質3・5日分の給与に相当し、現行の組合税(1日分の給与額)の3倍以上になる。ブラジル中央労組(CSB)系のサンパウロ州グアルーリョス市繊維労働組合も類似の新組合税を、他に先駆けて承認した組合の一つだ。
だが、労働検察局(MPT)はこれらの新税徴収は違法だとしており、非組合所属労働者からの強制徴収を禁じるべく、各組合に対する集団訴訟に入る可能性がある。
MPT検事のエンリケ・コレイア氏は、「労組の動きは改正労働法に違反している。改正労働法は、組合に所属せず、組合税の徴収を許可していない労働者から強制的に組合税をとる事は認めていない」と語った。
フォルサ・シンジカル事務局長のジョアン・ゴンサウヴェス氏も、9月15日に承認された組合活動費徴収案では、徴収額は年間所得の1%になるとしている。
CUT幹部のキンチーノ・セヴェロー氏は、「多くの組合がサンレオポルド市金属労働組合の取り決めに続くだろう」とし、「我々の本来の目的は組合加入者を増やす事」と語った。同氏は、組合税廃止はCUT所属の組合にとって3割の収入減となり、全く看過できないとしている。
アントニオ・ネットCSB会長も「各業界の労働者の組合加入率は7~30%だから、組合所属員のお金だけでは組合は立ち行かない。組合税の支払い義務が廃止されたら、多くの組合が活動費不足に直面し、合併の道をとるだろう」とした。