5日と10日にサッカーのW杯南米予選の最終2試合が行われる。既にW杯進出を1位通過で決めているブラジルのセレソンは、選手がほぼ固定しているかの印象があるが、まだ虎視眈々とセレソンを狙っている有望若手選手が存在する。
未召集選手の中でも特に注目されるのは、21歳のフォワードふたりだ。ひとりはリイングランドのプレミアリーグ、ワットフォード所属のリシャルリソン、もうひとりがフランスのリーグ・アン、ボルドーのマウコンだ。
リシャルリソンは元々はフルミネンセの選手で、今年7月まではブラジルの国内1部の試合に出場していた。彼は5月からはじまったブラジルの全国選手権にフルミネンセの左ウイングとして出場し、5得点を決めて注目された。その後は、その実績を買われてワットフォードに移籍した。
新天地では、移籍2戦目となる8月19日の対ボーンマス戦で初得点を決めると、以後、5戦連続でフル出場。9月30日現在、7試合出場で3得点を記録中だ。チーム自体も、それまでは「5年に1度くらい1部に昇格」のイメージだったのに、現時点では8位につける健闘ぶり。チームの躍進にも貢献している。
そんなリシャルリソンの励みになっているのは、セレソン監督のチッチ氏の言葉だ。チッチ氏はリシャルリソンがフルミネンセにいた頃から、「気になる選手」として名前を挙げている。リシャルリソンは10月の召集ではセレソン入りを逃したが、同監督はこの時も、「まだ彼への扉を閉ざしたわけじゃない」と名指しで取材に答えていた。
リシャルリソンはスポルTVのインタビューで「チッチの言葉は本当に励みになっている。ワットフォードでたくさん点を取ってセレソンに呼ばれたい」と希望を語っている。
一方、右のフォワードで期待されているのがマウコンだ。マウコンは2014年のシーズンに17歳でコリンチャンスの選手としてデビュー。2016年の年頭にボルドーに移籍し、今年で3シーズン目。2シーズン目の16/17年のシーズンも7得点を記録して成長をアピールしたが、今年は全8試合に先発出場し、4得点4アシストの大活躍。今ではチームのPK役もまかされる大黒柱に成長している。
マウコンは9月、ラジオ・ジョーヴェン・パンの取材でセレソン入りを目標にしていることを明かしている。「僕の前にはまだたくさんの候補がいるし、それはわかっている。僕は自分の目標を達成するためのプレーを続けるのみだ。セレソンに選ばれるのもその目標のひとつだよ。今はネイマールもフランスのリーグに来たし、僕にはすごく刺激になっているんだ」という。チッチ氏とはコリンチャンス時代、2015年の1年間だけだが、監督と選手の関係にもなっている。
現在のセレソンは、左ウイングこそネイマールという絶対的存在がいるが、右ウイングは、フィリペ・コウチーニョが本来の左から回ってプレーするか、試合は作るものの得点の少ないウィリアンかのどちらかで、その控え選手が確定していないポジションでもある。
なお、リシャルリソンとマウコンはどちらも、現在セレソンのセンター・フォワード、ガブリエル・ジェズスと同い年だ。(9月27日付ブラジル・グローバル・ツアーなどより)
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