下院は4日、政治改革の焦点の一つでもあった、20億レアルの選挙用ファンド設立を、賛成多数で可決した。テメル大統領が採択すれば、2018年の選挙から適用されることになる、5日付現地紙が報じている。
このファンドは、規模の大きな政党としては是が非でも成立させたいものだった。それは2015年に、最高裁が企業による政治献金を違法とする判決を下したためだ。来年の統一選では、従来からある政党基金の10億レアルと今回承認された約20億レアルが、各政党の選挙資金として使われることになる。
選挙用のファンドの額は当初、36億レアルに設定されていたが、議員たちの反対もあり、この額まで縮小した。
だが、これに反対したのは、少数政党の議員たちだった。それは、大金を使って選挙キャンペーンを行う大型党への反発心もあるが、3日に上院でも承認された選挙法改正案では、18年の選挙からは、全国の3分の1以上の州で、下議選での全国の有効投票数の1・5%以上の票を獲得できなかった政党にはファンドの割当が行われないことになっているためだ。
3日の上院では、政党連立を組んでの出馬が正式に禁止されることも承認されたため、少数政党へのダメージはさらに大きくなる。これらの2点は既に大統領の裁可も得ている。
賛成派は、ファンド設立が18年選挙に間に合うよう、上院が承認していた法案をそのまま承認しようとしたが、反対派はファンド設立を阻止すべく、緊急の修正動議を出した。だが、この修正動議は223票対209票で否決され、上院から回ってきたファンド設立案が承認された。
賛成票を投じたのは、民主運動党(PMDB)や労働者党(PT)、進歩党(PP)などの大型政党だ。大型政党の中では、民主社会党(PSDB)だけが、下議の自由意志に任せていた。
選挙用のファンド設立に関する法案は、テメル大統領が7日までに裁可すれば、18年選挙から導入されることになる。
今回承認された法案によると、このファンドには議員割当金の30%が当てられる。また、選挙期間中に政見放送を担当するラジオ局やテレビ局への現免税措置の金額もファンドの一部とみなされる。
下院は既に、従来は認められていなかった、インターネット上での有料キャンペーンや立候補者の罰金の分割払い、キャンペーン資金を集め始める時期の前倒し(8月からが5月からに)、選挙資金の上限設定なども承認している。これらの項目は、上院が承認した後に、大統領の裁可を待つことになる。