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ブラジル五輪委(COB)のヌズマン会長が緊急逮捕=リオ高級住宅地での捕物劇=五輪招致時の汚職疑惑で

9月に連警に強制連行され、事情聴取を受けた時のヌズマン氏(Tânia Rêgo/Agência Brasil)

9月に連警に強制連行され、事情聴取を受けた時のヌズマン氏(Tânia Rêgo/Agência Brasil)

 【既報関連】ブラジル五輪委(COB)会長で、リオ五輪組織委委員長も務めたカルロス・ヌズマン氏が、5日の朝、リオ市の自宅で逮捕されたと、同日付現地ニュースサイトが報じた。
 ヌズマン氏には、2016年五輪の開催都市選考レースにおいて、投票権を持っていた当時の国際五輪委(IOC)役員、ラミネ・ディアック氏(元国際陸連会長)を買収した疑いがもたれている。
 COB会長を22年にわたって務めているヌズマン氏の自宅に、連邦警察と連邦検察の捜査員が踏み込んだのは5日の午前6時。ヌズマン氏は午前8時半に自宅から連れ出され、市中央部にある連警本部に連行された。
 IOCは書面で、捜査に協力する姿勢を示すと共に、ブラジルの捜査当局に対し、内部でも追跡調査を行うための情報提供を求めた。またIOCは、ヌズマン氏に対して暫定措置を講じる可能性を示唆した。
 9月にラヴァ・ジャット作戦の一環として始まった、リオ五輪招致汚職に関する一連の捜査は「アンフェアプレー」という作戦名がつけられ、ヌズマン氏をはじめとする逮捕者には、汚職、資金洗浄、犯罪組織形成の容疑がかけられている。
 検察は、9月5日にヌズマン氏宅の家宅捜索を行い、強制連行の上での事情聴取も行ったが、その後も、ヌズマン氏が資産や証拠の隠匿を図ったので、今回の逮捕に踏み切ったと発表した。
 捜査によると、リオ五輪を巡る汚職には、既に多くの汚職に関与したとして逮捕、告発され、実刑判決も受けているセルジオ・カブラル元リオ州知事も関与している。
 企業家のアルツール・メネゼス・ソアレス・フィーリョ氏にも逮捕令状が出たが、同氏は逃亡状態だ。
 ヌズマン氏の片腕的存在で、元五輪組織委幹部のレオナルド・グリネル氏もリオ市ラランジェイラス区の自宅で逮捕された。同氏は、五輪招致委員会の広報・マーケティング部長でもあった。
 グリネル氏はラミネ・ディアック氏の息子のパパ・ディアック氏と会っており、賄賂はパパ・ディアック氏経由でラミネ・ディアック氏に流れたと見られている。
 捜査当局は、ヌズマン氏とグリネル氏がエージェント役となり、カブラル元知事とアルトゥール・ソアレス、ディアック親子を結びつけていた証拠を掴んでいるとしている。