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《ブラジル》連警がバティスティ氏逮捕=イタリア連続テロの政治犯

 イタリアからブラジルへ亡命中の政治犯、チェザーレ・バティスティ氏が4日、ボリビア国境近くの南マット・グロッソ州で多額の現金を国外に持ち出そうとして、逮捕された。5日付現地紙が報じている。
 バティスティ氏は、本国イタリアで1977年から79年に起きた連続テロで、グループの構成員として4人の人物殺害に加担したとして終身刑に問われていたが、国外逃亡し、様々な国をわたった後に2004年にブラジルに来ていた。
 バティスティ氏は2007年に、イタリアからの国外追放要請を受け、リオで逮捕された。だが2009年、当時のタルソ・ジェンロ法相が同氏の政治亡命を認める判断を下し、翌10年には当時のルーラ大統領がイタリアからの身柄引き渡し要求を断っていた。
 同氏はそのままブラジルに滞在しているが、労働者党(PT)政権が終わった16年9月には最高裁が人身保護令適用を拒否。今年9月には、イタリアから改めて、同氏の身柄引き渡し請求が出されている。
 バティスティ氏はこの日、2人の人物と一緒にブラジル産の乗用車で走行中に検問を受けた。連邦道路警察は同氏が複数の通貨で2万6700レアル相当の現金を所持していることを確認したが、釣りに行くと言われて開放した。
 だが、国境まで同氏に同行した連邦警察官は、同氏が国境地点でボリビアのタクシーに乗り替えて国外に出ようとしたのを見て、申告をせずに国外に持ち出せる額(1万レアル)を超える通貨を申告せずに持ち出そうとした容疑で同氏を逮捕した。連邦検察庁は同氏が国外逃亡を試みたと見ており、近日中に起訴する可能性がある。