リオ市の治安が軍も出動せざるを得ないほど悪化し、ロッシーニャ地区などでは銃撃戦が絶えない状態が、価格の落ち込みに苦しむリオ市の不動産業界の回復をさらに遅らせそうだ。
専門家達は、不動産価格の落ち込みは、治安の悪化そのものよりも、リオ州が直面している財政危機によるところが大きいとしている。しかしながら、最近の治安悪化はリオ市の不動産価格にさらに悪い影響を及ぼしかねない。
リオ州不動産市場企業管理者協会(Ademi―RJ)発表のデータによると、昨年、リオ市内で新たに売り出された住宅の数は、2012年の1万5859戸の半分以下の7329戸だった。今年上半期の数は、さらに低く、1989戸に過ぎない。
高級住宅地として知られる市内南部では、今年上半期は58戸しか売り出されておらず、昨年全体の268戸と比較してもおよそ5分の1に過ぎない。
「地区別に見ると、チジュッカ地区やヴィラ・イザベル地区(共にマラカナン競技場に近い)には暴力事件発生指数が高いコミュニティがあり、住宅建設の動きも止まっている」とリオ州民間建設業界組合の技術アドバイザーのロベルト・リラ氏は強調した。
同氏は「治安問題はリオ市の不動産業界にとって目新しい事ではない。建設業者も治安の情勢には注意を払っており、危険な地域は避けている。しかしながら、リオ市にはまだ、暴力事件の影響が少ない、〃オアシス〃ともいうべき地区がある。それは西部のバーラ・ダ・チジュッカと、南部のレブロンだ」と語った。
クラウジオ・エルモリンAdemi―RJ会長は、「リオ市の不動産業界にとっての2017年はもう終わった。不動産の市場への登場も散発的だ。過去の数字と比べると、今年の数字は酷い物だ。今はもう2018年を見ている。我々には明るい材料が必要だ。こんなに治安が悪くなった上に、州財政の行方も不透明で、投資などの先行きも見えない中、陸軍などが引き上げてしまったらどうなるんだろう」と語った。(6日付ヴァロール紙より)