5日、下院と上院では政治改革法案の最後の審議が行われた。同日承認された修正案の中には、政党の負債や罰金の分割払いや、インターネット上の宣伝活動で他の候補者に対する個人攻撃などを行った場合は、「フェイクニュース対策」などの観点から法的判断なしに検閲(差し止め)できるようにすることなどが盛り込まれている。6日付現地紙が報じている。
下院で最後まで残っていた政治改革案の修正案は5日未明に承認され、同日午後、上院に回された。上院では同日中にこれらの項目も含んだ改革案を承認し、大統領に送付した。
これにより、政治改革案は全ての修正案が上下両院で承認されたことになり、大統領の裁可を待つのみとなった。大統領が6日中に裁可すれば、政治改革法案は来年の統一選から有効となる。
5日に承認された改革案で注目される点は、大きく分けて二つある。ひとつ目は、負債を負った政党に対し、分割払いを認めることだ。それは選挙資金の負債や、政党に科せられた罰金も含まれる。今回承認された項目は、ラヴァ・ジャット作戦で被った罰金の支払いにも適用される。
今回、法案に定められている方法だと、負債を負った政党は60カ月以内にそれを返済しなければならないが、月々の返済額が、政党ファンドから毎月受け取る資金の2%を超える場合は、返済期間を延長することができることになった。
この法案で最も恩恵を受けるのは進歩党(PP)だ。同党はラヴァ・ジャット作戦で連邦検察庁から13億8千万レアルの罰金を科せられているが、この法案が認められると、月々の支払額は、毎月もらう政党ファンドの2%(月額282万レアルを受け取っているので、5万6500レアル)で済む。ただ、このペースで払い続けると2万4千回払い、つまり2千年も支払にかかることになる。
もうひとつは、インターネットやソーシャル・ネットワークの利用者が、候補者を中傷するような内容のことが書かれていたことに気づいて告発した場合、その内容が真実であることが証明されない限り、法的な判断を待つことなく、24時間以内にその内容を取り下げさせることができる、というものだ。
この修正案提出の責任者は連帯(SD)下院リーダーのアウレォ下議だ。同氏いわく、その目的は「フェイクニュースが生み出す無意味な論争を避けるため」で、「候補者について嘘の噂を作ることは犯罪だ」と語っている。
だが、「インターネットをコントロールすることは検閲行為にあたる」と反対する声は根強く、大統領が同修正案に対する拒否権を行使するよう望む意見も出ている。
こうした反応から、アウレォ下議自身も6日、この修正案に関しては、「テメル大統領に否決してもらうよう頼む」と発言しはじめている。