【既報関連】ミナス・ジェライス州北部ジャナウーバ市の市立保育園ジェンテ・イノセンテで5日朝起きた放火事件で、入院中だった園児が7日朝と9日未明に息を引き取り、同事件による死者は園児9人と教師1人の計10人(犯人の警備員も含めると11人)となったと8日付現地紙や9日付現地紙サイトが報じた。
子供75人、教職員17人が、一足早い「子供の日」を祝っていた時に起きた惨事は、ブラジル中をショックに陥れた。
犯人の夜警ダミアン・ソアレス・ドス・サントスは同日、教室に入って子供達に「氷菓子(ピコレ)をあげる」と言い、自分の周りに子供達が集まったところでアルコールを撒き、火をつけたという。
アルコールに火がついた途端に爆発したような音が鳴り響き、音や叫び声に驚いて駆けつけた近隣住民が、救出作業に加わったが、その最中に駆けつけた警官は、燃え上がる火の手や叫び声などに驚いたのか、パトカーから出た途端、動きが止まったという。我に帰った警官が救出作業に加わった事はもちろんで、乗用車に乗せられるだけの子供達を乗せて病院に走った住民もいた。
同市市役所によると、焼けた園舎は13日に提示される改修計画に従って80日以内に再建し、運営を再開するが、園児達はそれまで、市内の別の保育園に委ねられる。
園舎改修は従来の骨組みを活かして行われ、再建後の園名には、園児達を助けるために犯人と争い、体表面積の90%に大火傷を負って亡くなったエレイ・デ・アブレウ氏(43)の名前が冠せられる事になっている。
エレイ氏は、現在65歳の叔母ドラリセ・デ・アブレウ氏に、「自分のクラスを受け持った教師は、生徒達のために自分の命を与えるべき」と教えられてきた。ドラリセ氏はモンテス・クラロス市で教職に着いた年にこの事を教えられ、親族の教師達に伝えてきた。
エレイ氏や最初に亡くなった子供達の通夜や埋葬は6日に行われ、多くの市民が参列したが、同日行われた夜警の埋葬式には、親族の友人1人が参列したのみだった。
ベロ・オリゾンテ市やモンテス・クラロス市の病院には、9日現在も23人が入院加療中で、今も機械呼吸が必要な重傷者も数人いるという。
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