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IMF=ブラジルのGDP成長見通しを改善=今年は0・7%、来年は1・5%成長と予測

クリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事(Stephen Jaffe/IMF Staff Photo)

クリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事(Stephen Jaffe/IMF Staff Photo)

 IMF(国際通貨基金)が10日に新たなレポートを発表し、ブラジル経済の見通しを、2017年の国内総生産(GDP)の予想成長率は0・3%から0・7%に、2018年のGDPの予想成長率も1・3%から1・5%に上方修正した。
 IMFは、輸出が力強く伸びていることと、内需減少のペースが落ち着いたことにより、8四半期連続で景気が縮小したブラジル経済も、今年初めから成長軌道に戻っているとした。IMFはまた、ブラジルの農業生産が堅調であったことが、第1四半期のGDPを1%押し上げるのに寄与したと強調した。
 IMFは、勤続期間保障基金休眠口座の引き落とし解禁も経済を助けたと評価している。第2四半期の家庭消費は、経済を0・2%引き上げた。
 しかし、投資が戻っていないことと、政治が不安定なことは2018年の経済活性化に向けた不安要素としている。IMFは、経済改革と公共支出の抑制を、経済回復のペース増大のための必要条件に挙げた。
 「ブラジルが長期的な視野に立ち、健全な財政バランスを確保するために必要な改革を行って、徐々に信頼感を回復していけば、中期的に年間平均2%の成長率を達成するはず」とレポートには書いている。
 IMFは、「持続不可能な」支出の見直しには年金改革が不可欠であることと、支出の見直しと年金改革こそが、ブラジル経済に対する信頼の回復と民間投資の拡大をもたらすための第一歩だとしている。
 レポートはさらに、短期的視野で公的機関の財政を改善する手段として、国外投資家をインフラ設備業務委託計画に誘致しようとする政府の努力を好意的に見ている。
 IMFの経済予測は3カ月ごとに公表されている。1月のレポートでのブラジルのGDP成長率は、17年が0・2%、18年が1・5%だった。4月のレポートでは17年は0・2%のままで、18年は1・7%に引き上げられたが、7月のレポートでは、17年が0・3%に微増した一方、18年は1・3%に下方修正された。
 ブラジル中央銀行が行う市場調査フォーカスの最新予測(9日発表)では、今年のGDP成長は0・7%、来年は2・43%の見込みとなっている。(10日付G1サイトなどより)