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《ブラジル》6州で麻薬摘発2作戦敢行=56人逮捕、高級車など押収

 連邦警察と国税庁が10日、ブラジル国内6州で国際的な麻薬密売組織の摘発作戦を敢行し、56人を逮捕したと同日付現地紙サイトが報じた。
 今回の摘発は国際警察との協力で行われている白い海作戦とコンテナ作戦の一環で、午前10時までに、前者で31人、後者で25人の計56人が逮捕された。逮捕令状が出た60人中、1人は国外逃亡中だという。
 10日の作戦は、サンパウロ州やリオ・グランデ・ド・スル州、サンタカタリーナ(SC)州、ペルナンブコ州、パライバ州、リオ州の6州で敢行され、逮捕令状60件(予備拘留45件、一時逮捕15件)と家宅捜索・物品押収令状104件、強制連行と事情聴取令状12件が出された。
 SC州ジョインヴィーレでは、自動車販売店の高級車も押収された。警察は高級車が密売に関係していると見ており、店自体が資金洗浄のために使われていた可能性も捜査中だ。同日は逮捕された容疑者宅でも高級車などが差し押さえられた他、不動産の差し押さえや銀行口座凍結も行われた。
 白い海作戦は、15年7月にデンマークで320キロのコカインが押収されたのを契機に始まった。この時見つかった麻薬はSC州イタジャイー/ナヴェガンテス複合港から密輸されたもので、10日の作戦でも、同港職員や現地企業家が逮捕された。また、コンテナの中身が申告通りの品である事を保証する封印用シールも押収された。
 同作戦では16年3月以降、国外(ベルギー、フランス、スペイン)6回、国内6回の摘発を行い、6トンのコカインを押収した。イタジャイー港を利用する麻薬密売組織は三つあり、少なくとも5年前から、鋼鉄やパイン缶などのコンテナに混ぜて麻薬を密輸していたようだ。主な容疑者達の資産は計1億5千万レアルに上るという。
 同作戦絡みでは、デンマークやイタリア、スペイン、サウジアラビア、トルコでも2・5トンの麻薬が押収されている。
 ジョインヴィーレの連警が昨年末始めたコンテナ作戦では、ベルギー国内も含めた5回の摘発で約2トンの麻薬を押収。同作戦で捜査している密売組織は、ボリビアとの国境付近で入手した麻薬を小型機でサンフランシスコ・ド・スルの農園に運んで加工し、イタポア港からのコンテナに入れて密輸していた。