【既報関連】ミシェル・テメル大統領に対する2度目の告発問題が取りざたされる中、上下両院の政府リーダーらが、連立を組む政党の議員たちに新たな社会保障制度改革案を提示したと、10日付現地紙が報じた。
政府側は、下院が大統領への告発受け入れ拒否を決めた後の11月に、社会保障制度改革案を下院本会議にかけることを狙っている。
政府は大統領に対する告発が何度出されようとも、連立与党の結束がいくら揺らごうとも、社会保障制度改革を諦めてはいない。しかし、その内容は改革に抵抗する勢力に譲歩したものとなりそうだ。
新たな改革案は、5月に下院特別委員会で承認された社会保証制度改革に関する意見書(報告官アルトゥール・マイア下議)とは内容が異なる。
下院政府副リーダーのベット・マンスール下議(共和党・PRB)は、「新たな改革案では、受給に必要な最低負担年数と既存の年金システムからの移行方法について、変更を加えるつもりだ」と語った。
同下議によると、変更案の取りまとめには、財務省のカエターノ社会保障局長やメイレレス財相なども関わったという。
社会保障制度改革は、JBSショックに伴う混乱や、ロドリゴ・ジャノー前連邦検察庁長官による2度のテメル大統領告発請求などで大幅に遅れた。11月に採決を行っても、来年の統一選挙まで1年を切っており、国民受けが著しく悪い同法案に賛成するのをためらう議員がさらに増えることも予想されている。