近年、経済危機のブラジルからポルトガルに移住する動きが広がっていると13日付ブラジル国内紙が報じた。
ポルトガル当局によると、同国には正規のビザを持ったブラジル人が、約8万人居住しているという。
しかし、他のEU諸国のパスポートを持って葡国に住む人や不法滞在者も含めると、実際にポルトガルに住むブラジル人はもっと多いと推定される。
首都リスボンにあるブラジル領事館のアルヴァロ・ファグンデス2等秘書官は、「ブラジル人の関心をポルトガルに惹き付けている要素としては、生活の質の高さ、言葉が同じであること、気候、文化が似ていることなどがある」と語った。
しかし、ポルトガルの労働市場は加熱しておらず、西欧諸国の中では低い、557ユーロ/月という最低賃金のため、同国移住は充分な財産を持っている外国人に限られた選択肢だ。
ポルトガル政府は、「100万ユーロ以上の資産を同国に移す」か、「起業し、10人分以上の雇用を創出する」か、「35万ユーロ以上の不動産を購入する」などの条件で、投資活動のための滞在許可(ARI)にあたる、「ゴールデンビザ」と呼ばれるビザを出している。
今年に入って7月までに、同種のビザを獲得したブラジル人は185人いる。2012年にこの制度が始まって以来、2016年までのブラジル人向けの同ビザ発給数は247件だった。7カ月の総数が、5年間の総数のおよそ75%に達した計算だ。
ポルトガルの富裕層向け不動産会社などは、移住のために同国に不動産を購入する意思のある消費者はまだいると見て、ブラジルへ熱い視線を送っている。