ブラジル中銀が毎週月曜に発行する経済指標調査「フォーカス」は、今年の広範囲消費者物価指数(IPCA・政府の公式インフレ率)予測を、これまでの2・98%から3%に引き上げた。
来年の予測は4・02%で保たれた。今年と来年の予測は、中銀設定の目標インフレ率4・5%(±1・5%の猶予付き)をいずれも下回った。
中銀の通貨政策委員会(Copom)は、景気刺激策として、昨年10月からこれまでに開催された8回の会議で毎回、政策基本金利(Selic)を引き下げており、現在のSelicは年利8・25%だ。
Selicが引き下げられると、クレジット金利が下がり、消費や生産が促進されるが、インフレ抑制効果は薄れる。Selicが引き上げられると、クレジット金利も上がるために需要が下がり、貯蓄に回るお金が増え、インフレは抑えられる。
昨年10月までのSelicは年利14・25%だったが、現在は年利8・25%まで落ちている。金融市場関係者は、今年末の時点のSelicは年利7%になり、2018年も同率で保たれると見ている。
なお、フォーカスのGDP成長率予測は、今年は0・7%成長から0・72%成長に、来年も2・43%成長から2・5%成長に上昇変更された。(16日付アジェンシア・ブラジルサイトより)