ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》健全財政が企業誘致のカギ?=セアラー州やエスピリトサント州は盛んに投資を呼び込むPR

《ブラジル》健全財政が企業誘致のカギ?=セアラー州やエスピリトサント州は盛んに投資を呼び込むPR

 これまでブラジルの各自治体は、地元に投資を呼び込む際に、「海に面していて港がある」「道路が整備されている」「特別法人税減税がある」などを売り物にしてきたが、最近は「財政が安定している」事も自治体のアピール材料となっていると、15日付現地紙が報じた。
 北東部のセアラー州、南東部のエスピリトサント州、北部のアマゾナス州都マナウス市は最近、全国紙に、財政が安定していてリスクが小さいと強調し、投資を呼びかける広告を出した。
 リオ州工業連盟(Firjan)のエコノミスト、ギリェルミ・メルセス氏は、「他の自治体では職員への給与さえ滞っている中、これらの自治体は、財政状態が悪化する前に財政健全化を図った事の恩恵を得ている」と語る。
 Firjanの行った調査では、セアラー州、エスピリト・サント州は昨年の財政状態がもっともよかった五つの州に数えられる。
 セアラー州は、2016年の人件費の支払いを歳入の49・3%に収めた。財政状態の悪いリオ州、リオ・グランデ・ドスル州、ミナス州などはその比率が71・9%~78%に達している。
 各州の歳入額に対する公共投資費は平均で5・7%だが、セアラー州は11・1%だ。
 セアラー州のカミーロ・サンターナ知事(労働者党・PT)は、同州では税制優遇措置を導入し、用地を提供、大型倉庫も作り、製鉄業者や国際航空会社とも契約を結んだとしている。
 エスピリトサント州経済計画局のレジス・マットー局長も、「進出企業はその自治体の財政状況を評価する。財政が健全な州に進出すれば、そこで働く従業員も恩恵を受けられる」と語る。
 財政が困窮している州も、企業を融資すべく、税制優遇措置をとると言っているが、「無責任な約束をした州は税制優遇を反故にしかねない」と専門家は語っている。
 実際に、リオ州検察は昨年、同州政府にこれ以上、進出企業に対する税制優遇をとらせないようにする法的措置をとっており、同州議会は昨年8月、州は国家財政政策審議会の承認を受けた税制優遇措置しか行えないとする条例を採択した。