【既報関連】ブラジル上院が、17日午後の本会議で、9月26日に最高裁第1小法廷が民主社会党(PSDB)のアエシオ・ネーヴェス上議に対して出した上議停職、夜間外出禁止などの措置を拒絶する判断を下したと18日付現地紙が報じた。
アエシオ氏は、5月17日に報道された食肉大手のJBS社主のジョエズレイ・バチスタ被告の報奨付供述で、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の弁護費の一助にと200万レを要請した事が明らかになり、収賄と捜査妨害の罪に問われている。
アエシオ氏は2度上議停職命令を受けた。最初は供述内容が報じられた翌日の5月18日にファキン最高裁判事が出したもので、6月30日にマルコ・アウレリオ・メロ最高裁判事が暫定令を解き、7月4日に復職。だが、検察が再び同上議逮捕を要請したため、最高裁第1小法廷が9月26日、逮捕に代わる措置として、停職や夜間外出禁止などを決めた。
アエシオ氏やLJで告発されたり捜査中だったりする上議らは、これらの措置は事実上の自宅軟禁で、現行犯以外の理由での連邦議員逮捕を禁ずる憲法に反するとして、最高裁に提訴。これを受けた最高裁は今月11日に、予防的措置としての停職や外出禁止などは、議会の承認を必要とするとの判断を下した。
17日の審議は16日の時点で11人の欠席が確認され、延期かと思われていたが、エウニシオ・オリヴェイラ議長が17日午後に本会議開催を決め、午後5時過ぎから審議・投票となった。
アエシオ氏が復職するには、過半数の41人以上が最高裁の判断を否定する必要があり、1人でも多くの出席を得る事が鍵とされていた。
当日は、手術直後のロメオ・ジュカー上議(民主運動党・PMDB)が擁護演説を行い、ジョアン・アウベルト・ソウザ上議が手術を延期。午前中に体調を崩して病院に運ばれたパウロ・バウエル上議(PSDB)も救急車で戻るなどして、44人が最高裁の判断に反対する票を投じた。この内19人は、LJによる告発や捜査の対象者だ。
最高裁の判断を支持する票を投じたのは、左肩骨折直後だが車椅子で来たロナウド・カイアド上議(民主党・DEM)、国外旅行を中止したアナ・アマリア上議(進歩党・PP)ら、26人だった。
アエシオ氏復職に最も貢献したのは、22人中18人が最高裁の判断を拒否したPMDBだ。テメル大統領は2度目の告発に関する審理継続拒否のためにPSDB票を必要としており、ジョゼ・サルネイ元大統領も党内の票の取りまとめに貢献した。テメル大統領は本会議後、満足の意を表明したという。PSDBは公務で国外旅行中の議員を除く9人が全員、停職反対に票を投じた。
17日の投票結果は18日に最高裁に伝えられた後、同裁がアエシオ氏に伝達。この時点で同氏の復職が叶う。ただし、同氏に関する疑惑の告発や捜査は続き、今後は被告となる可能性が強い。