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《ブラジル》鶏肉巡る貿易争議で勝訴=インドネシアへの輸出可能に

 世界貿易機関(WTO)が17日、インドネシアがブラジル産鶏肉に課していた種々の障壁は違法との判断を下し、ブラジルは年間7千万~1億ドルの巨大市場進出が可能になると18日付現地紙が報じた。
 インドネシアは世界4位の2億6400万人の人口を有し、87%がイスラム教徒だ。国民1人あたりの鶏肉消費量は年6キロで、世界平均の20キロとは大差があり、鶏肉輸入は皆無だ。ブラジルはイスラム教徒向けの鶏肉生産量世界一で、年間販売量180万トンを誇る。鶏肉生産者は、同国は世界で最も成長が望まれる市場と見ている。
 関係者によると、今回の決定は食品衛生部門では初めてのWTOでの勝訴で、ブラジル産の鶏肉の品質の高さが証明できたという。
 インドネシアはWTOの決定に従う意向とされているが、ブラジル側が鶏肉の品質管理などの基準を緩和する事がないように、WTOに提訴する可能性は残っている。
 ブラジルは09年から同国に鶏肉を輸出しようとしているが、同国が様々な障壁を設けてきたため、15年に提訴していた。ブラジルはインドネシアがいたずらに衛生管理のあり方などの承認を遅らせていると主張してきたが、この点と、同国の輸入承認システムの問題点が指摘され、勝訴となった。
 ただし、ブラジルはインドネシアがブラジル産の鶏肉の輸入を禁じている事を明確な形で証明出来ていないなど、完全勝訴とはいえなかった。