世界と沖縄のウチナーンチュを結ぶラジオ番組『ハイサイ・世界のウチナーンチュ』(ROK沖縄ラジオ、AM864kHz)が8日から放送されている。ブラジル在住12年のパーカッショニスト翁長巳酉さんと「世界のウチナーンチュの日」の提案者、比嘉アンドレス・オスカルさん(アルゼンチン)、伊佐正アンドレスさん(ペルー)、『留学生の母』と呼ばれるヒスパニックセンター勤務の眞壁由香さん(沖縄)が発起人。番組立上げにつき、翁長さんにメールで取材した。
翁長さんは番組立上げの経緯について、「5年ごとに沖縄県で開催される世界ウチナーンチュ大会の様子を見ていて、海外からの参加者と県内の温度差を感じた。この差を改善するため自分達で情報発信できる場所を作ろうと思い立った」と説明した。
翁長さんは「温度差」の一例として県の広報不足を指摘。那覇市の観光地の一つで地元民から「まちぐゎー」という愛称で親しまれる牧志公設市場と周辺の商店街がある。そういった県民・観光客が大勢訪れる広報にうってつけの場所だけでなく、市内各所に大会ポスターが貼られることはないそうだ。
「情報がないために県民の関心も集められず、盛り上がらない。インターネットを使わない世代、仕事でテレビを見る時間が少ない世代、新聞を読まない世代は確実に取り残されている」と意見を述べた。
ただ、「昨年の第6回大会からは地方行政が独自に地域のウチナーンチュ大会を開催するなど変化が見られている」とのことだ。
世界から集まったウチナーンチュの歓迎式典などが各市町村で開催され、ポスターを各地域で制作するなど盛り上がり始めているそう。
番組では発起人の4人がメインの司会となり、沖縄県系人に関する様々な事柄を取材し、各国の協会の人と連携を取り、協力し合ってゲストを迎えるなどしている。
第1回(8日)はブラジル、ボリビア、ペルー、アルゼンチン、ハワイ、インドネシアの協会関係者らが集まり、各協会の成立ちや抱負などを語った。
翁長さんは「ウチナーグチや伝統は沖縄では失われつつあります。どうか各国のウチナーンチュの皆様の協力をお願いします」と番組の聴取やお便りなど参加を呼びかけた。
同ラジオ番組はポッドキャストやYoutubeで配信される予定。県内外、国外からのお便りも募集している。
Youtubeのラジオ沖縄チャンネル(https://www.youtube.com/channel/UCZHv4LMY14jTOrGvziKftaw)もしくはポッドキャスト(http://pod.rokinawa.co.jp/wp/archives/category/haisai1030)で日本国外から聞くことも出来る。
問合わせ、お便りは同ラジオ番組(haisai1030@rokinawa.co.jp)、または翁長さん(deepbrasil2010@yahoo.co.jp)まで。