サンパウロ州市警が19日、サンパウロ大都市圏や南部海岸などの19市で、州都第一コマンド(PCC)関係者や武器などを摘発するための作戦を敢行したと、19,20日付現地紙、サイトが報じた。
サンベルナルド・ド・カンポ市にある麻薬捜査課の指揮の下で行われた「サラザル作戦」では、PCC構成員16人が逮捕され、銃器類5丁、携帯電話30個、麻薬5キロ、コンピューター、通信用ラジオなどが押収された。他のPCC構成員15人も捜索中だ。
市警は盗聴で、PCCが、9月17日から内部抗争が続いているリオ市南部のファヴェーラ、ロッシーニャの麻薬密売組織アミーゴ・ドス・アミーゴス(ADA)に麻薬や武器を提供していた可能性を示す情報を得ていた。
PCCは昨年来、リオ市一の麻薬密売組織コマンド・ヴェルメーリャ(CV)に対抗するために、同市で2番目に大きな密売組織のADAと手を組んでいる。
19日の逮捕者の1人は、PCCの首領の一人で、ADAとの交渉を取り仕切っていたファビアノ・ロブソン・ドス・サントスことネガン(ADA側の通称はサラザル)だ。警察によると、ネガンとの会話には現在も身元が判明していない仲介者が数十人出てくるが、会話の盗聴から、ADAがPCCに武器や銃弾の補給などを要請していた事は明らかだという。
警察は、盗聴出来た会話で要求された武器や銃弾が実際にADAに届けられたかは定かではないというが、PCCとADAが、ブラジリアでの抗議行動に構成員を連れて参加する意向だった事も判明していたという。
ロッシーニャはADAのアントニオ・ボンフィン・ロペスことネンが支配していたが、ネンの逮捕後、彼の右腕だったロジェリオ・ダ・シウヴァことロジェリオ157がネンの妻達を追い出したために内部抗争が起き、軍の派遣も起きた。
ネガンが手を結んだ相手がロジェリオ派かネン派かは、現地紙上では明らかにされていない。
ダッタフォーリャの調査によると、治安悪化のため、リオ市民の72%は可能なら同市から転居をと望んでいる。最近銃声を聞いたという人は67%、銃が使われるのを目撃したり生活のリズムを変えたりした人も3分の1いた。