ゴイアス州北西部にあるシャッパーダ・ドス・ヴェアデイロス国立公園で17日に発生した火災は、今も鎮火出来ず、24日昼前までに24万ヘクタールある同公園の22%を焼失したと23、24日付現地紙サイトが報じた。
生物の多様性保全のためのシコ・メンデス研究所(ICMBio)によると、今回の火災は、同国立公園拡張以来、最大規模の森林火災だ。今回の火災では、同研究所や国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)、トルト環境運動家グループ(GAT)の職員やボランティア、ゴイアス州と連邦直轄区の消防隊、連邦道路警察、アウト・パライゾ市役所関係者ら200人以上が消火活動に当たっている。今後は空軍機も投入される。
同公園は今年、大統領令で拡張され、指定地域内にはアウト・パライゾやカヴァウカンテなど、計6市の一部または全体が含まれる事になった。火災の影響が最も大きいのはアウト・パライゾ市で、市役所が23日に緊急事態を宣言した。
少雨・旱魃に悩む中での森林火災の影響はなお深刻で、様々な種類の動植物が生息する川沿いの平原や回廊状の地域が最も大きな損失を被る。
23日には、動物救済支援のため、ブラジリアの動物園から獣医2人と生物学者、飼育士各1人からなるスタッフが派遣された。連邦政府も、医薬品や手術用キットその他の救援物資を送った。同公園は18日から無期限閉園となっている。
地球温暖化やそれに伴う旱魃などにより、ポルトガルやカリフォルニアなどでも大規模な森林火災が起き、死傷者も出たと報じられているが、10月6日付現地紙サイトによれば、ブラジルでは今年、10月のはじめまでだけで19万7千件の森林火災が発生。その内の49%は法定アマゾン内で起きている。
大気の乾燥が激しくなるのは8~10月で、9月の場合、1~29日だけで10万7千件の火災が起き、国立宇宙調査研究院(Inpe)が1080年代半ばに統計を開始して以来、最も森林火災が多い月となった。
森林火災は、落雷や強風による自然発火でも起きるが、ごみを燃やしたり吸殻を投げ捨てたりという、人的原因による火災が大半だ。環境省の予算削減も、防災対策をより困難にしている。
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