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倫理の会=ブラジル人茶道師範ソウザ氏が講演=日本文化と精神を語る

講演中のソウザさん

講演中のソウザさん

 ブラジル倫理の会(須郷清孝会長)が7日朝、日系パラセホテルでモーニングセミナーを行った。今回はブラジル人の茶道・生け花師範のヴァウデルソン・デ・ソウザ氏が「大自然から来た伝統」をテーマに日本文化とその精神について紹介した。

 ソウザ氏は日本文化について「不均整」「簡素」「渋味」「自然」「幽玄」「脱俗」「静寂」と7つの特徴を挙げた。

 葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」と「アテナイの学堂」を映し、描かれたものの配置や全体図を指し示しながら「この北斎の絵の構図は左右不対称。大きな波が左、その奥に日本一高い富士山が小さく描かれている。左右対称が美しいとされていた西洋美術に衝撃をもたらした」と紹介。

 他にも日本の芸術作品等の写真を例に挙げながら説明。講演を終えると大きな拍手が上がった。

 ソウザ氏はサンパウロ州カセレス市出身。サンパウロ総合大学(USP)の建築学科を卒業。日本文化に興味を持ったきっかけについて「小さい頃から日本文化に関わる機会があったが、彼らがなぜ簡素な美しい芸術作品を作れるのか不思議に思っていた。ブラジル人の頭で日本文化を理解したかった」と語った。

 実際に日本文化を習った際、「『練習する中でわかる』、『練習しろ』という言葉ばかりで嫌気がさすこともあった」と笑いながら振り返り、「でも本当に頭で考えるのではなくて手でわかる。これが日本文化の奥深さの一つ」との考えを述べた。

 セミナーに参加した猪俣登美子さん(65、二世)は「日本人以上に日本を知っている。好奇心旺盛で深くまで探求しており、素晴らしい」と賞賛した。