10月にインドで行われたサッカーU17W杯で、ブラジルは準決勝でイングランドに敗れたが、その後3位決定戦でマリに勝ち、3位となった。
優勝こそ果たせなかったが、「久々の黄金世代」と称されるタレントたちの確保のために、各チームが必死になっているという。
この大会には、南米予選の得点王になり、レアル・マドリッドと4500万ユーロの巨額契約を交わしたヴィニシウス・ジュニオール(フラメンゴ)は出場しなかった。
直前で怪我をし、所属のフラメンゴが代表供出を断ったためだ。
だが、彼抜きでもスペインやドイツといった強豪に勝てたこの世代への評価は高い。まず、同じくフラメンゴ所属でセンター・フォワードのリンコンは、既にバルセロナが獲得に食指を伸ばしていると言われ、移籍金は3000万ユーロとも目されている。
また、今大会でヴィニシウスの代役を務め、3得点を記録したブレネルは、サンパウロとの契約を2022年9月まで更新している。
これは5年間ブレネルをサンパウロが戦力として計算しているという意図の他に、5年以内に欧州クラブから誘いが来ても、契約でプロテクトし、「どうしても欲しいならば移籍金を出せ」と主張して、利益を出す意図がある。
今大会で最も活躍したとの呼び声も高い、右ウイングのパウリーニョも、既にプロデビューし活躍している。彼も所属先のヴァスコ・ダ・ガマとの契約を20年1月まで延長した。
またパルメイラスも、今回の代表で司令塔をつとめたアランジーニョとセンターバックのヴィトンの2人との契約を、20年5月まで更新している。特にアランジーニョには欧州強豪からのオファーもあったが、パルメイラスは中心選手として育てる意向だ。
また、キーパーのブラゾン(クルゼイロ)にも欧州から4500万ユーロでの高額オファーが届いていたといい、ボランチのヴィットール・ボブシンもグレミオと19年3月まで契約を更新している。さらに、今回は準レギュラーだったミッドフィールダーのヴィッチーニョも、コリンチャンスは大事に育成し、中心選手にしたい意向だ。
ブラジルは、U17W杯では過去に3度の優勝経験があるが、「大成したのはロナウジーニョだけ」との印象もあったあめか、注目度はさほど大きいとは言えなかった。
だが、現在好調のA代表で、ネイマール、フィリペ・コウチーニョ、カゼミーロ、アリソンといったレギュラー4人がいずれも2009年のU17W杯にチームメートだったこと(結果は一次リーグ敗退)が今になって伝説化していることも、今回のU17代表に注目が集まる理由にもなった。(10月28日付グローボエスポルテなどより)