全国家庭サンプル継続調査(Pnad Continua)によると、第3四半期に支払われた給与の総額は1881億レアルで、市場に出回る金が1年間で約70億レアル増えたと1日付現地紙が報じた。
四半期毎の給与総額最高は2014年第4四半期の1915億レアルだが、景気後退で失業率が上昇し、給与額も下ったため、2016年第3四半期の給与総額は1811億レアルに減少した。
だが、景気が少しずつ上向き、雇用が回復し始めた事や平均給与が上昇した事などを受け、今年第3四半期の給与総額は昨年同期比3・9%(70億レアル)増となった。雇用回復は、第2四半期は13・0%だった失業率が12・4%に減り(失業者数は1296万1千人に減少)、就業者数が9129万7千人に増えた事でも明らかだ。平均月収は、16年第3四半期の2065レアルが2115レアルに上昇した。
第3四半期の給与総額は前四半期比で26億レアル増えており、給与所得の増加や給与受給者の増加が給与総額を押し上げた事を裏付けた。
これまでの報道では、8~9月の税収や小売販売の増加は、勤続期間保障基金(FGTS)の休眠資金開放などを反映したという内容が多かったが、今回の発表は、インフレ率の低下と、給与所得や給与受給者の増加も消費者の購買力回復を促した事を示している。
給与所得や給与受給者の増加は、継続した家計消費増加や小売販売増加に繋がるため、エスタード紙では、商業界が、2年連続で前年割れを起こしていた歳末商戦も、昨年比4・3%増の343億レアル規模になると期待していると報じている。
他方、フォーリャ紙は、今年の第3四半期に社会保障費を払った労働者は63・8%で、65・6%だった昨年同期より140万人減少したが、1~8月に払われた額は昨年同期比4・6%増だったと報じた。
社会保障費を払った労働者の割合の低下は、失業率上昇で非正規雇用者や個人または零細企業が増え、正規労働者が減った事を反映している。
専門家は、こういった面からも社会保障制度の改革が必要だと説いているが、統一選前だから、改革は小規模になるとの見方が強まっている。