【アマゾナス州マナウス発】アマゾナス州マナウスの日本人学校に日本文化コースができて22年になる。日本語や文化を学びたい子供の為のコースで、駐在員を中心とした日本人の子供と一緒に学ぶ日本人学校は国内ではマナウスのみ。子どもたちは日本語やポ語でコミュニケーションを取りながら元気に学んでいる。
「タボン?」「一緒にやってみる?」。小学校低学年の音楽の時間、リコーダーを持った子どもたちがグループに分かれて「大きな古時計」を練習していた。上級生が周りの子に日本語やポ語で声をかけながらまとめる。「じゃあみんなで一回合わせてみよう。ヴァモス!」
マナウス日本人学校には「全日コース」と「日本文化コース」があり、全日コースには日本人の子ども32人、日本文化コースには現地日系人の子どもら14人が在籍する。
日本の文部科学省から認定された日本人学校は国内ではほかにサンパウロ市、リオ市にあるが、日本人の子どもと日系人の子どもらが一緒に学習するのはマナウスだけだ。
きっかけは、駐在員が減り子どもの数も少なくなったことだった。現地の日系人らにとっても、日本人学校は日本語に触れられ、日本の文化や規律を学ぶ良い機会となる―。1995年に設立し、これまでに44人の生徒が修了した。
日本文化コースには図工、体育、音楽の授業に加えて委員会活動があり、いずれも午前中にすることで、全日コースと合同で学べる時間割になっている。日本文化コースの子どもたちは午後にはブラジルの学校に通う。
中川勝美校長(56)は「子どもたちには将来、日本とブラジルの架け橋になって活躍してほしい」と願う。運動会やマラソン大会といった日本の行事がある一方、船でアマゾンの自然を楽しむ体験学習もあり、マナウスならではの教育活動をしているのも学校の自慢だという。
「みんな仲良しでコース関係なく遊べるのが良い」と全日コースの小学5年、志賀野花穂さん(10)。日本文化コースに通う中学3年の島将吾君(15)は「日本から遠く離れているブラジルでも日本のことが学べる。友達と日本語で普通に話せるのが楽しい」と笑顔で話した。(菅野麻衣子通信員)