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《ブラジル経済》設備投資4年ぶりに回復の見込み=以前の水準にはまだ遠く

 

 ブラジルの投資は過去4年間、0・4%増を記録した昨年の第3四半期以外はほぼ絶え間なく縮小していたが、「井戸の底」からの回復の兆しを見せつつあると、3日付現地紙が報じた。
 今年第3四半期のブラジル経済への投資は、前年比1・6%増が見込まれている。ただ、国内総生産に対する投資の割合は、この4年間で21・1%から15・5%まで落ち込んでおり、失われた投資の回復にはまだ時間がかかると見られている。
 ブラジル応用経済研究所(Ipea)算出の、固定資本形成(FBCF、政府が行う公共投資の固定資本)によると、今年8月の投資は、13カ月連続の下降を記録して以来初の、昨年比0・8%増だった。
 Ipea経済情勢研究班のコーディネーターは、「月ごとのデータを見れば投資が、特に機械設備において息を吹き返していることがうかがわれる」と語る。
 ブラジル地理統計院(IBGE)のデータによれば、機械設備の生産高は、工業全体で見ても際立っている。機械設備の他、車両や原材料なども含む資本財の生産は、4月から8月にかけて5カ月連続で前年同月を上回った。今年1月から8月にかけての資本財の生産量は昨年比4・4%増えたが、工業全体の生産量は1・5%増に止まった。
 ブラジル工業機器輸入者協会(Abimei)会長のパウロ・ブランコ氏は、最近数カ月の資本財輸入の伸びは明らかだとするも、まだそのペースは緩やかだとしている。
 来年の大統領選の行方が不透明な事から、未だ多くのプロジェクトが足踏み状態になっているものの、今年、公開入札で落札された事業の多くは2018年に始まり、投資の流れを拡大すると専門家たちは見ている。