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《ブラジルサッカー》白熱の首位決戦=激戦制したコリンチャンスが優勝に前進

先制点を喜びスマートフォンで自撮りをするコリンチャンスの選手たち(© Daniel Augusto Jr. / Ag. Corinthians)

先制点を喜びスマートフォンで自撮りをするコリンチャンスの選手たち(© Daniel Augusto Jr. / Ag. Corinthians)

 サッカー・ブラジル全国選手権第32節が11月最初の週末にブラジル各地で行われた。

 今節最大の注目カードは、同じサンパウロ市に本拠を置く、首位のコリンチャンスと、勝ち点差5で2位につけるパルメイラスの直接対決だ。

 激しく対抗意識を燃やす両者の対戦は、デルビー・パウリスタという特別な呼び名がある。デルビー・パウリスタが始まったのは100年前の事だ。

 今年のコリンチャンスは、リーグ前半の19試合を、14勝5分の驚異的なペースで勝ち進み、一時はパルメイラスとの勝ち点差が17まで開いていた。だが、リーグ後半戦の第20節以降、パルメイラス戦までの12試合を3勝3分6敗と大失速し、パルメイラスの追い上げを許していた。

 一方のパルメイラスは、昨年は同チームを優勝に導いたクーカ監督が解任され、それまでコーチだったヴァレンチン氏が暫定監督に就任した後の4試合を3勝1分で快進撃。コリンチャンスとの直接対決直前には、両チームの勝ち点差はわずか5に縮まっていた。

 そんな状況下で迎えたこの試合、コリンチャンスのホームスタジアムには4万6千人を超す大観衆が詰めかけた。

 試合は前半早々、コリンチャンスが連敗中とは思えないほど積極的なプレーを見せて、パルメイラスを押し込んだ。

 不動のレギュラーだったジャジソンに代わり、先発に抜擢されたクレイソンが左サイドから効果的なドリブルでチャンスを作ると、前半28分にロドリギーニョがシュート。このシュート自体は外れたが、そのボールをロメロがゴールに蹴りこんで先制すると、その2分後にはコーナーキックのこぼれ球を、バルブエナが身体ごと押し込んで、リードを2点に広げた。

 パルメイラスもすぐさま反撃した。コリンチャンスの大きな弱点であるコーナーキックからの守備の不安をついて、長身ディフェンダーのミナが悠々とヘッドで決めた。

 コリンチャンスもその3分後、エースFWのジョが、ペナルティエリア内でパルメイラスのドラセナに倒されて得たPKチャンスを直接決めて3―1に。とにかく、前半は激しい点の取り合いとなった。

 後半はパルメイラスが盛り返し、23分にコーナーキックからのこぼれをモイゼスが豪快に蹴りこんで1点差に詰め寄ったが、コリンチャンスは集中を切らさず、1点のリードを守りきり、3―2で勝利した。

 これでコリンチャンスとパルメイラスの勝ち点差は8となり、残り6試合での逆転はかなり難しくなったが、敗れたパルメイラスをかわして2位に浮上したサントスが、コリンチャンスとの勝ち点差6につけている。

 5月半ばに開幕した今年のブラジル全国選手権も、残り6節、1カ月足らずで大団円を迎える。        (規)