平成29年度外務大臣表彰伝達・祝賀式が先月31日に在サンパウロ総領事公邸で行われた。受賞者のサンタクルス日伯慈善協会の石川レナト理事長、柔道家の石井千秋さん、陶芸家の鈴木章子さん、ブラジル日本都道府県人会連合会(山田康夫会長)に野口泰在サンパウロ総領事から賞状と記念品が授与された。
野口総領事は「皆さんの友好関係への尽力のおかげで、ブラジルは世界でも稀に見る親日国。これからも友好関係強化に促進されていくことを信じます」と期待を寄せ、祝辞とした。
NHK番組で観たブラジルの風景に魅了され1962年にブラジルに渡り、当時芸術の一分野として認められていなかった陶芸をブラジルに普及させた鈴木さん(88、東京都)は「一生の内でこんなことは夢にも思っていなかった。生きていて良かった」と喜びを表した。
救急受付対応にTPS(トヨタ生産方式)導入や16年のリオ五輪の際にはリオ市に日語対応可能な医師を派遣するなど、医療分野での2国の交流に尽力したサンタクルス病院の石川理事長(78、二世)は同病院で行った事業を紹介。「これから高齢者に対するサービスを拡充していき、質の高い人生を提供したい」と今後の意気込みを語った。
ブラジルでの柔道普及に貢献し、1972年のミュンヘン五輪ではブラジル代表として出場した柔道家の石井千秋さん(76、栃木)は、体調不良のため式典を欠席。妻の恵子さんが代理で出席し、「柔道発展を願う夫の活動が認められて嬉しい」と喜びを語った。
訪日中の山田会長に代わり出席した川合昭副会長(82、秋田)は「今回の受賞は新たな始まり。官民一体となってさらに日本文化や日語普及に励みたい」と述べた。