サッカーのリオの名門チーム、ボタフォゴでセンター・フォワードをつとめるホージェル(32)が腎臓癌の手術による1カ月の入院生活に終止符を打ち、7日から早速練習場で汗を流し始めている。
ホージェルは32歳のベテラン選手だが、今年はキャリアでベストの成績を収めていた。
彼は若い頃はなかなか芽が出ず、国内のチームを毎年のようにたらい回しにされ、時にはアジアでもプレー。その中にはアラブ首長国連邦や韓国といった名前が挙がり、日本でも2010~11年、「ホジェル」の登録名で柏レイソルでプレーした経験がある。
そんなホージェルは昨年、サンパウロ州選手権で全国選手権には登録されていないレッドブル・ブラジルで活躍したことが認められ、全国選手権1部のポンテ・プレッタで活躍。それが認められたことで、ようやく「ブラジル12強」の伝統的名門のひとつ、リオのボタフォゴに入団した。
すると今年は前半のリオ州選手権から好調で、5月からの全国選手権でもセンターフォワードのレギュラーで出場。20試合出場で10得点を取る活躍を見せ、得点王ランキングでもトップ5に入っていた。
だが、そんな矢先に、ホージェルを病魔が襲った。ボタフォゴが9月30日にホージェルの腎臓に悪性の腫瘍があると発表すると、このニュースはブラジル・サッカー界に衝撃を与えた。当初はまだ詳細が発表されていなかったため、病状や今後の選手生命などに関して不安視されていたのも事実だ。
だが、手術は10月8日に行われ、成功。ホージェルは6日に退院許可を得、ちょうど術後30日目となる7日朝、早速ボタフォゴに戻り、練習を再開した。取材陣に対してホージェルは、「11月7日は僕にとって特別な『再始動の日』だ。夕べは、今日からはじまる新しいキャリアのことを考え、楽しみで興奮して眠れなかったよ」と語っている。
正式な病状発表によると、腫瘍は初期で、3~4センチほどと小さかったという。腎臓の末端の近くであったために除去も簡単で、投薬などの指示も出ていない。また、初期だったため、化学治療や放射線治療の必要もないという。
入院中、ホージェルは4キロ痩せた。通常のコンディションに戻るには15~20日間のトレーニングが必要だという。
本人は「今は僕の代わりに出場しているブレネルも好調だからね」と、チームメイトへの気配りも忘れていないが、ホージェル自身は、12月3日に今シーズンが終わる前、せめて2試合には出場したいと願っている。
「入院中は、これまでゆっくり一緒にいれなかった子どもたちとも過ごしたし、妻とも夕食を食べ、教会にも行った。貴重な時間を活かしたよ。でも、僕の居場所はグラウンドだし、ここに戻って来られたのが何よりうれしい」とホージェルは語っている。(7日付グローボエスポルテより)