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ブラジル不動産業界=金利低下で住宅の販売回復=ブラジル全土では昨年比25・5%増

 【既報関連】ブラジル中銀による昨年10月からの大幅な利下げと、最近見え始めた景気回復の影響が、ブラジル国内の不動産市場にも及び始めていると7日付現地紙が報じた。
 サンパウロ市商用・住宅不動産売買・賃貸・管理業者組合(Secovi―SP)によると、同市では今年の1~8月に、1万991軒の住宅が販売された。これは9100軒だった昨年同期と比較して2割以上の伸びだ。
 ブラジル住宅開発業者協会(Abrainc)の調べによると、国全体での今年1~8月の住宅販売総数は4万5267軒で、昨年同期比25・5%増だ。
 Secovi―SPチームエコノミストのセルソ・ペトルッシ氏は、「まだ動きは緩やかで、段階的ではあるが、市場は回復し始めている」と語る。
 昨年10月からの1年間で、経済基本金利(Selic)は6・75%ポイントも下がり、今は年利7・5%になっている。
 ブラデスコ銀行の試算によると、Selicが1%ポイント下がるたびに、各銀行が住宅購入用のローンを組むための査定を行う際、不動産購入希望者に要求する最低収入は、6~8%下がるという。
 20万レアルの住宅をローンで買う場合、Selicが1%ポイント下がれば、潜在的な購入可能世帯は100万世帯以上増える計算となる。
 ブラデスコ銀行の経済分析員たちは、今年の9月からは不動産購入用融資枠が拡大された事も指摘する。
 物流会社に務めるミシェル・モレイラさん(40)はアパートの購入を昨年末から検討していたが、昨年は支払い額を算出しても高くて手が出せなかった。だが、今年に入って金利が低下したため、購入を決めた。「金利が去年のままだったら買えなかったろう」と振り返る。
 この流れは緩やかながらも、民間建設業界の雇用回復の形としても表れている。労働省の全就労・失業者台帳(Caged)によると、民間建設部門では今年、累計で2万8100人分の正規雇用が失われているが、9月単月度では380人分の雇用回復だった。