アルゼンチンの秋田県系人団体、在アルゼンチン秋田千秋会(藤井パオラ会長、三世)が今年、創立70周年を迎え、21日の記念式典に参加するため、母県から堀井啓一副知事らが慶祝に向かった。19、20日にはその道すがら、当地のブラジル秋田県人会(川合明会長)を訪れ、県人らの活躍を知ると共に、歓迎会で親交を深めた。南米訪問団として当地を訪れたのは、堀井副知事、鶴田有司県議会議長、加藤紘一、佐藤正一郎両県議会議員ら9名。
同県人会は、初来伯の堀井副知事らに当地での県系人の活躍を伝えるために各所を案内。移民史料館では、ブラジル移民の医療福祉に多大な貢献をした高岡専太郎氏、ブラジル移民小説で初代芥川賞を受賞した石川達三氏の事跡を紹介した。日本食品店では、秋田銘酒「高清水」、秋田に本社を持つ株式会社ヤマダフーズの「おはよう納豆」など県産品が販売されている様子を視察した。
県系人との交流を深めるため、リベルダーデ区の超人気ラーメン店『飛鳥』を訪問し、店主の伊藤武さん(75、由利本荘)と懇談。翌20日には、高岡専太郎氏の孫で、USPの循環環境学教授で綜合土地開発会社『Takaoka impericimento』社長の高岡マルセロさん(60、三世)のもとを訪れた。
マルセロさんの急用により、面会は果たせなかったが、バルエリ市の本社ビル、15km四方の高級商工住宅地「アルファ・ビレ」、循環環境工学に基づいた高級住宅地「ジェニジス」を見学。堀井副知事は県系人の活躍を知り、「秋田の誇りだ」と喜んだ。
19日夜に行われた歓迎会には県人会関係者ら70人が出席。着任したばかりの野口泰総領事も来賓した。開会式典では記念品の交換が行われ、県から県人会へ寄付金の贈呈も行われた。ブラジル日本移民110周年記念祭典委員会の菊地義治実行委員長から佐竹敬久知事宛ての招待状が堀井副知事に手渡された。
堀井副知事らは同日に、ブラジル日本移民110周年記念式典の会場となるサンパウロ市ジャバクアラ区のサンパウロ・エキスポセンターも訪れており、式典が県連日本祭りと同時開催されることや、皇室関係者のご来賓が期待されていることなどを説明されると、「県人会と連携してしっかりと協力したい」と語った。
大石博道副会長の乾杯の発声で懇親会へと移り、銘酒「高清水」が振舞われると、若手民謡グループ「民」(久保田紀世会長)が秋田民謡を披露し、会場を盛り上げた。途中、民謡を嗜むということから加藤、佐藤両県議が急遽登壇させられ、民謡を披露。佐藤県議が「秋田大黒舞」の歌詞を「宝の山にはせこんだナー」から「宝のブラジルにはせこんだナー」に替え歌して歌うと会場からは拍手が上がった。最後には鶴田県議会議長、堀井副知事も登壇し、参加者全員で「ドンパン節」を歌い、盛会の内に閉幕となった。
歓迎会後、「当地の県人会で母県との絆が一番強いのは、秋田」と語る川合会長。「今後も母県と連携して県人会の発展と郷土文化の発信に尽くしていきたい」と話した。
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