ブラジル全国財・サービス・観光商業連合(CNC)の計算によると、今年のクリスマス関連商品の価格は前年を下回り、デフレとなる公算が強いと、8日付現地紙が報じた。
昨年11月から今年10月までの12カ月間の、クリスマス関連商品の価格は平均で1・1%低下した。これは2001年の統計開始以降、初めてのことだ。昨年は9・8%、一昨年は10・4%と高い上昇率が続いていた。
調査対象品目の中で、最も価格が下がったのは携帯電話のマイナス9・1%で、テレビや音響、情報関連機器のマイナス7・7%、家庭内での消費用食品のマイナス5・4%が続いている。
調査を指揮したCNC経済部長のファビオ・ベンテス氏は、デフレの背景には、レアル高、技術の進歩による価格減、過去最高を記録した農産物収穫高などの要因があると語った。
一方、航空券(プラス17・9%)、複数の市を結ぶバスの運賃(プラス7・2%)、スニーカー(プラス6・9%)などはこの1年で価格が上昇した。
クリスマスの小売販売は、15年はマイナス5%、16年はマイナス4・9%と、2年連続で前年比割れを起こしているが、CNCは、雇用状況の改善や金利の低下、社会統合基金/公務員財形計画(PIS/PASEP)引き出し解禁などを考慮し、今年のクリスマスの小売販売予想を、昨年比4・3%増から4・8%増へと上方修正した。
ベンテス氏は、「小売回復に有利な状況が続くなら、13年の前年比5%増を上回る可能性もなくはない」とした。
今年のクリスマス商戦では、総売上347億レアルが期待されている。スーパーマーケット(116億レアル)、衣服(90億レアル)、日用品(50億レアル)の3部門が、合わせて256億レで全体の7割以上を占める見込みだが、昨年比で最も上昇率が高いと見られているのは、17・4%増が期待される家具、電化製品部門だ。
ベンテス氏はさらに、「雇用の回復と低インフレも消費拡大に寄与するだろう」と述べた。
クリスマス商戦への期待の高まりは、雇用促進にもつながるとみられており、CNCは今年のクリスマスシーズンは正規雇用だけで7万3千人ほどの雇用が生み出されるとしている。
一番多くの雇用創出が期待されているのは、衣服、靴部門の4万8千人で、スーパーマーケット(1万人)や日用品販売部門(8千人)がそれに続く見込みだ。
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