第13回JICA理事長表彰の表彰式が先月3日、東京のJICA市ヶ谷ビルで行なわれ、太鼓指導者の蓑輪敏泰さん(69、宮崎)が理事長賞(専門家/ボランティア部門)を受賞した。蓑輪さんは元JICAシニア・ボランティアとして2007年より計3回に渡りブラジルに派遣され、各地で和太鼓の巡回指導・普及に尽力した。
理事長賞は、開発途上国・地域において経済・社会の発展、住民の福祉の向上等に大きく寄与した事業及び専門家、コンサルタント、ボランティア等の個人に贈られる。
蓑輪さんは、各地での和太鼓指導・普及に加え、全国の和太鼓チームのリーダー・指導者育成にも取り組み、全伯和太鼓チャンピオン大会の企画・実施にも貢献した。
08年6月には、「ブラジル日本移民100周年祭」に合わせ来伯された皇太子殿下の御前で、ブラジルの教え子とともに「千人太鼓」の演技を披露。その模様は、全土にテレビ中継され、ブラジル社会に日系社会の存在感と日本文化の魅力を力強く印象づけた。
また、蓑輪さんが指導したブラジル代表チームは、日本で毎年開催される「日本太鼓ジュニアコンクール全国大会」に入賞し、ブラジルの和太鼓を日本と引けを取らないレベルにまで発展させた。
本紙の取材に対し、蓑輪さんは「この賞は私一ひとりでもらったものではない。教え子たちやサポートしてくれた方々が居たからこそ受賞できたのだと思う」とコメントした。
蓑輪さんは現在、JICAボランティアとしての活動を終了し、単身ブラジルに戻り、コロニア・ピニャールを拠点に引き続き太鼓指導にあたっている。