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リオ州元知事のセルジオ・カブラル被告=密かに判事の身辺調査?=捜査の手が入り、尋問時に平謝り

リオ州知事を務めていた頃のセルジオ・カブラル被告(Antônio Cruz/ Agência Brasil)

リオ州知事を務めていた頃のセルジオ・カブラル被告(Antônio Cruz/ Agência Brasil)

 連邦警察は、数多くの汚職事件に関わった疑惑で公判中の元リオ州知事セルジオ・カブラル被告が、予備拘留中にも関わらず、調査資金を出し、リオ州連邦裁判所第7刑事法廷のマルセロ・ブレタス判事とその妻で判事のシモーネ氏の情報を集め、報告書を作るよう指示していた疑いで調査していると、9日付現地紙各紙が報じた。
 ブレタス判事はカブラル被告の関わる一審の大半を扱っている。
 連警は、カブラル被告が人を雇い、少なくとも3カ所の警察署でブレタス判事夫妻の情報を集めさせたとし、調査報告書作成の経緯や使用目的、調査資金の出所を捜査中だ。情報収集は、同被告が逮捕された16年11月以降に行われている。
 リオ市警は8日、警察に内通者がいて、情報局の内部システムからブレタス判事のデータを抜き取り、カブラル被告に流していた可能性を調査することも決めた。
 渦中のブレタス判事は8日も、カブラル被告への尋問を行った。同被告は尋問中、2度も判事に謝罪した。その様子は、前回の尋問時にとった、挑戦的な態度で、判事の親族に宝石商がいることをほのめかした時とはまるで異なるものだった。
 親族の職業の事をいきなり切り出されたブレタス判事は、脅迫されていると感じ、検察側の要請を受け入れて被告の連邦刑務所への移送を命じたが、その命令は最高裁のジウマール・メンデス判事が差し止めている。
 8日のカブラル被告は慇懃な態度で、「判事は一度も私への敬意を欠いたことがなかったのに、図に乗る態度を取ったことを謝ります」と語った。ブレタス判事は、「済んだこと。気にしていない」と返答した。
 カブラル被告はまた、「私はそんなこと(自分の担当判事の身辺調査)をするような人間じゃない。私を貶めようとする何者かの意思だ」とし、調査書作成を命じ、資金も出していた疑惑を否定した。ブレタス判事はこれにも、「私は何も知らない。疑惑の存在も、(あなたがやったのではないかという)調査も、私の関知するところではない」と答えた。
 カブラル被告の弁護士は「全てはカブラル元知事を貶めるために仕組まれた嘘」と語り、同被告の疑惑を否定している。