【静岡県発】「日本は、移民政策を大幅に緩和すべきである。是か非か」――今まさに国内外で議論されているテーマを、高校生が英語で討論し、説得力を競い合っている。10月29日、掛川市の静岡県総合教育センターで、全国高校生英語ディベート(討論)大会の県大会が行われ、県内の9校15チームが熱い議論を戦わせた。
今年の同大会の論題は「Japan should significantly relax its immigration policies.(日本は、移民政策を大幅に緩和すべきである。是か非か)」。全国各校、論題が発表された4月ころから準備を進め、練習を重ねてきた。
同ディベートの試合は、行き当たりばったりの意見の言い合いではなく、全国高校英語ディベート連盟のルールに基づいて話す順番や時間などが細かく決められており、議長とタイムキーパーの指示に従って対戦する。
論題通りに政策が採用された場合、議論で挙げられた利益と弊害が、試合を通してどちらが大きいと判断されるかを審判員が決める。そのやり取りの中で、相手の質問や反駁にそれることなく返せたか、相手の意見の不足を指摘できたかなどが判定でチェックされる。
1チーム4人。テーマに対して肯定か否定かは試合ごとに決められる。 それぞれに立論、反駁、質疑、総括などの全12のスピーチがあり、合間には準備時間も与えられる。
開始から終了までは計42分。その間チーム内の打ち合わせ以外は、自己紹介、議長やタイムキーパーの指示、審判員も発言はすべて英語だ。
試合では肯定側、否定側、それぞれ議論の柱となるメリット(アドバンデージ)とデメリット(ディスアドバンテージ)を2つまで挙げることができる。そのため、各チームは試合に備えてアドバンテージ2つとその論拠、ディスアドバンテージ2つとその論拠、また予想される反駁に対する反論や証拠も準備しておく必要がある。
同大会では各チームが4試合戦い、得点の上位2校が同点だった場合は決勝戦をし、全国大会に出場する1校を決める。
生徒は午前午後に2試合ずつ肯定と否定に立場を変えながら試合をするためかなりハードな1日となる。
英語を話す力・聞く力はもちろんだが、入念なデータの準備や対応力が重要な戦いとなる。
当日は台風の接近で大雨が降る中、県内各地から出場校が集まり、開会式の後、早速ディベートの試合が始まった。(つづく、秋山郁美通信員)