グローボ局は8日、黒人を侮辱する発言を行ったとして、看板ニュースキャスターのウィリアン・ヴァック氏(65)を、状況が解明されるまで担当から外す意向を固めた。
ヴァック氏の問題発言は、昨年の11月にワシントンDCのホワイトハウス前でアメリカ大統領選のレポートを生中継する直前に行われた。その時のテープが1年経った今、ネットで流出し、物議をかもしていた。
ヴァック氏は本番の数分前に、カメラが回っている中で、もうひとりのコメンテーターと和んだ話をしていた。
すると、周囲で大きな車のクラクションの音がした。これに対して不快感を示したヴァック氏は「なんだ、こんなんじゃ話もできないよ」と不平を言ったあと、隣のコメンテーターに向かい、小声で「まあ、しょうがないですな。黒人のやっていることだから」と耳元で話しかけた。
彼の発言がよく聞こえていなかったそのコメンテーターが怪訝な顔をして聞き返すと、声を大きくして「黒人のやっていることだから」と言った後、大きな引き笑いまで行った。
この模様が実際の放送に使用されることはなかったが、映像そのものはしっかり録画されており、1年後に何者かによって流出すると、ネット上は「報道に携わる人がこのような人種差別的発言をするとはなにごとか」と大炎上した。
この事態を受け、報道局としての威信を傷つけられた形となったグローボ局は、ヴァック氏を更迭する事態に追い込まれた。
ヴァック氏本人は、この発言に関しては「一切記憶がない」としながらも、「大変申し訳ないことをした」と謝罪した。
ヴァック氏はテレビ報道の世界では第一人者のひとりで、国際政治に強く、海外レポートの数々でも有名だった。
グローボ局は、9日以降、ヴァック氏と膝を突き合わせて、今後のあり方について話し合う意向だ。(8日付G1サイトより)