(5)TOKYO 2020へ向け、日系ユースは新たなネットワークを構築し、日本との架け橋になります
私たち日系ユースにとって「TOKYO 2020」は、母国において日本への注目が高まると同時に自身の日系人としての資質を生かし、そのアイデンティティを世界に発信する良い機会と捉えています。
日系人として生まれ育った私たちは、母国と日本、両方の文化の相違点と共通点を認識しており、お互いの特徴を生かし架け橋となることができます。
我々ユース世代がまず取り組むべきことは、我々自身のネットワークを構築することであると考えます。先輩方が、移住先国で取り組んできた、相撲、運動会、野球などのスポーツは、次の世代へ日本文化の継承を促すものでした。
それは、国際日系親善スポーツ大会や、パンアメリカン日系人大会等に結実しました。インターネット社会で展開される「TOKYO 2020」は、日系人としての意識を持たない若い世代に日系人としての意識、日本への興味を喚起し、非日系も含めネットワークに取り込んでいくことが可能です。
日系ユースは、2020に向けた日系社会との連携の一案として、世界で日系ユース・ネットワークの構築に努め、独自の「TOKYO 2020」を発信します。
(6)日系四世への新たな在留資格付与に十分な配慮を。また重国籍の容認を求めます
日本政府が、日系四世世代にワーキングホリデーを念頭に置いた新たな在留資格の付与を検討されていることを歓迎します。
若い世代が自らの目で日本社会を体験すること、および日本社会が海外日系人の存在について認識を深めることの意義は大きいと考えます。
同時に日本政府が日本語能力を受け入れ条件としていることに理解を示します。単に少子高齢化による労働力不足を補うためだけに、単純労働作業に埋没してしまう事態は避けなければなりません。
期間は3年とすることが検討されているようですが、日本と居住国との架け橋となる人材育成に資する制度設計を望みます。
また、ドイツ、イタリア、スペインといった移住者送出国が取っている重国籍容認制度は、移住先国との間の若い世代の移動やルーツ意識の喚起に貢献しているという報告があります。
健全なアイデンティティを持つことを助けるため、出生国や居住国の国籍を保持したままで、日本国民として認めるよう重国籍の道を開くことを政府に求めます。
(7)来年のハワイ移住150周年に日系社会のレガシーを再確認し次の世代へ繋ぎます
2018年は、明治維新から150周年にあたり、ハワイへ最初の集団移住が行われた日本の海外移住150周年でもあります。
これを記念して第59回海外日系人大会はハワイで開催されます。多くの日系人のレガシー(歴史的遺産)が残るハワイでの開催が、各国で日系レガシーが再認識され次世代へ引き継がれる良い契機になると同時に、日本と海外日系社会間、そして海外日系社会間の連携を深める有意義な大会となることを期待します。そのためにも各地の海外日系人、特に若い世代の一層の参加を望みます。(終わり)