ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》民主社会党(PSDB)内でアウキミン・サンパウロ現州知事が勢力増す=タッソ解任の混 乱の中=カルドーゾ元大統領が中心的役割を期待=アエシオも連立離脱示唆

《ブラジル》民主社会党(PSDB)内でアウキミン・サンパウロ現州知事が勢力増す=タッソ解任の混 乱の中=カルドーゾ元大統領が中心的役割を期待=アエシオも連立離脱示唆

11日のアウキミン氏(Gilberto Marques/A2img)

11日のアウキミン氏(Gilberto Marques/A2img)

 9日に党首停職中のアエシオ・ネーヴェス氏が党首代行のタッソ・ジェレイサッチ氏を解任して以降、激震
の続く民主社会党(PSDB)。同党内では、連邦政府からの離脱や、ジェラウド・アウキミン・サンパウロ州
知事を大統領選候補に擁立することを望む声が強まっていると11~13日付現地紙が報じている。

 アエシオ氏がタッソ氏を解任した翌日の10日、党の重鎮であるカルドーゾ元大統領(FHC)は自身のフェ
イスブックで、「アウキミン氏のように経験があり、党員から尊敬されている人物を中心に党をまとめる方向に
導くことを、(党首代行に指名された)アルベルト・ゴールドマン氏に望む」との見解を示した。
 さらにカルドーゾ氏は、12月9日に行われる次期党首選までに党内の合意が成立しなかった場合は、タ
ッソ氏を支持する意向も示した。タッソ氏は代行を解任されたが、現時点での党首選は、同氏とゴイアス州
知事でアエシオ氏の推すマルコーニ・ペリーロ氏の争いとなっている。
 同党では「党首が大統領候補に」というやり方を望む向きもあるが、アウキミン氏は現時点で出馬を表明
しておらず、党首選ではタッソ氏を支援すると発言している。他方、タッソ氏は、アウキミンを大統領候補とし
て強く推している。
 一方、アエシオ氏は11日、PSDBミナス・ジェライス州支部会に出席した際、同党が連立政府から離脱
する意向であることを初めて認めた。
 9日のタッソ氏解任の際、「連立を維持したいアエシオ氏と離脱したいタッソ氏の対立の結果」と報じられた
が、アエシオ氏は「その報道は正しくない。解任はあくまで党首選の問題だ」として改めて否定した。
 ただアエシオ氏は、以前から主張している連邦政府による社会保障制度改革には賛成であることを改め
て強調している。
 さらに同氏は、18年の選挙に「何らかの形で出馬するだろう」との意向も示した。それが何かは明らかにさ
れていないが、上議再選か、ミナス州知事との見方が強い。
 また、12日にはPSDBサンパウロ州支部会が行われたが、ここでは「フォーラ(出て行け)、アエシオ」の怒
号が飛び交うなど、反アエシオ色の濃いものとなった。サンパウロ州支部はテメル大統領の下院での告発投
票の際に最高裁での審理継続に賛成する投票を行うなど、かねてから連立離脱の意向が強いため、タッソ
氏解任に強い反発を示している。
 ここでは、ジョアン・ドリア・サンパウロ市市長や元大統領候補のジョゼ・セーラ氏、アルベルト・ゴールドマン
新党首代行も姿を現したが、中心となったのはアウキミン氏で、来年の大統領選出馬の意向を明確に示し
つつ、「党の一致団結を」と呼びかけていた。