影山千夏さんは、高知県立美術館で開催された移民写真家・大原治雄の展覧会に主任学芸員として携わった。今年6月に同美術館を退職し、現在は個人で活動する。
今回の訪伯で、パラナ州ロンドリーナ市に住む大原の家族を訪れた。影山さんが家族と会うのは2回目。展覧会前の去年1月、生前の大原について教えてもらった。
影山さんは、家族から「日本で展示してくれてありがとう」と歓迎を受け感謝された。「お礼を言いたいのは自分の方。温かさが心に沁みました」と微笑む。
大原の死後から約20年が経つが、なぜ大原が生涯、写真撮影に情熱を注いだのかは明らかになっていない。影山さんは「モレイラ・サーレス財団に所蔵されている日記を解読すれば、多くのことが分かるのでは」とし、今後、研究を進めたいと考えている。
「家族の方々も日記に何が書いてあるのか知りたがっている。私個人でどこまで出来るかわからないが、これからも大原に関わっていくつもり」。同郷の写真家である以上に思入れのある存在となっている。(陸)