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東西南北

 テメル大統領は共和制記念日の15日に行ったスピーチで、「ブラジル人は国に不安な心配事があると、権威主義に頼ろうとする傾向がある」と語った。テメル氏はこの日、1873年に共和制導入に向けての初の会議が行われた場所であるサンパウロ州イトゥで、全国民向けのメッセージを発し、その中で、ヴァルガス大統領の独裁や軍事政権は「単なるクーデターではなく、国民も望んだゆえに起きたもの」との見解を示した。実際、ネット上の世論などでも「この国に民主政治は無理だ。いっそ軍政に」などの意見が以前より増えている。国政に怒るのは結構だが、過去の歴史で学ぶべきことがあるのもまた事実だ。
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 15日の真夜中から16日未明にかけては、コリンチャンスの全国選手権制覇に沸いたが、同じ時間帯に、サッカー界ではもうひとつ、大きな出来事があった。それはペルーが大陸間プレーオフでニュージーランドを破り、来年のW杯への最後の切符を手にしたことだ。ペルーは、プレーオフの直前に、フラメンゴのエースとしても有名なゲレーロがドーピング検査に引っかかり、出場停止となるハプニングが起きたが、それでチームの団結が強まっていた。南米から5チーム出場もうれしいところ。
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 11月も半ばに入り、そろそろ夏に向けて暑くなる頃だが、15日午前中、リオのイパネマ海岸で、全長15メートル、30トンの大きなクジラの死体が海岸にあがり、リオ市民を驚かせた。浜辺にいた人に危害などはなく、現在、死因を調査中だが、これだけ大きなクジラだと、運搬ひとつとっても大仕事だ。