ブラジル地理統計院(IBGE)の調べにより、2015年に起きた石油の国際価格下落により、同年のリオ州は、ブラジル国内総生産(GDP)に占める州別GDPの割合を最も大きく下げた事が分かった。
リオ州は2014年、州別経済規模でブラジル国内の11・6%を占めていたが、15年にはその割合が11%に低下した。同州の州別経済規模は国内2位だ。州別経済規模の1位はサンパウロ州で、ブラジル全体の経済規模の32・4%を占めている。
IBGEによると、リオ州は州沿岸部の油田から原油を採掘する企業からのロイヤリティー収入に頼っている部分が大きく、15年は原油の国際価格が大幅に下がったため、州別の経済規模も縮小したとしている。
ブラジルの石油公社、ペトロブラス(PB)社が原油を扱う際の目安となる、プレント原油1バレルの14年平均価格は99ドルだったのが、15年は52・3ドルまで下がった。
リオ州での原油採掘量はブラジル全体の原油採掘量の3分の2を占めており、15年の場合、原油や天然ガスの採掘に伴う収入は州経済の14・3%を占めていた。
ブラジルの原油業界は、PB社が大きく関わっていた政界汚職の解明調査、ラヴァ・ジャット(LJ)作戦にも影響を受けた。リオ州政府も、LJ作戦を州の収入が減った事の理由の一つに挙げている。
リオ州の低迷により、同州とサンパウロ州、ミナス州、エスピリトサント州からなる南東部がブラジル全体のGDPに占める比率も低下した。
14年の場合、南東部のGDP占有率は54・9%だったが、15年は54%に下がった。これは、2002年の統計開始以来、最大の下げ幅となる。南東部のGDPは02年、全国の57・1%を占めていた。
15年は、ブラジリア連邦直轄区も含む、全ての州のGDPが前年より減少したが、これは02年の統計開始以来、初の出来事だった。
前年比の落ち込みの割合が最も低かったのは、中西部のマット・グロッソ・ド・スル州で、マイナス0・3%だった。同州の下げ幅が他州より小さかったのは、農牧畜業が好調だったためだ。
「15年の場合、州の主要産業が農牧畜業だった州は大きなマイナスを免れたが、加工業や商業、建設業などに頼っている州は大きなマイナスを記録した」とIGBEのフレデリコ・クーニャ氏は語った。(17日付フォーリャ紙より)
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