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葛飾区射殺事件で訴訟終結=20年超禁固、国外犯処罰6件目

 2001年に東京都葛飾区で無職の日本人男性を射殺し、その後帰伯逃亡したとされる日系人2人について、日本政府が国外犯処罰要請し、当地で殺人罪などで有罪判決が出た事件で、サンパウロ市のバラ・フンダ刑事裁判所は9月5日付で、訴訟が終結したことを公表していたことが分かった。ニッケイ新聞の取材に、同裁の広報担当者も確認した。
 元デカセギ労働者のマルセーロ・フクダ、クリスチアノ・イトウ両被告は、2016年12月、同裁判所で開かれた陪審裁判で、無職の川上芳孝さんを射殺し、妻に重傷を負わせた罪でそれぞれ23年7カ月、22年1カ月の禁錮刑の一審判決を受けた。州裁のサイトの情報によれば、その後原告・被告側とも控訴せず、一審判決が維持され、刑の執行に移行したとみられる。
 この件は、イトウ被告の頭部の刺青写真を用いて「ヤクザ絡みの殺人」と当地でもグローボやヴェージャ誌などが大々的に報じた。被告2人は事件後すぐ日本を出国し、サンパウロ市近郊で暮らしていたが、日本からの国外犯処罰が要請された後に2011年10月に身柄拘束された。
 この事件は被害者の双子の弟が、暴力団関係に殺害を依頼したとして逮捕され、すでに服役しているほか、犯行に関与したとして暴力団関係者の日本人、日系ブラジル人の数人が逮捕されている。フクダ、イトウの2人はこの暴力団員と日系ブラジル人の男に依頼されて犯行に及び、報酬を受け取ったとされる。
 身柄拘束後の被告人尋問、陪審裁判でも、2人は罪を認めており、「反省している」などと供述していた。事件発生から16年余り経過した後の判決確定となった。